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 <講演会報告> 平成20年度日本塗装技術協会特別事業アンコール講演(大阪開催)

 5月16日、日本塗装技術協会は特別事業としてアンコール講演「塗装技術の最前線!」を日本ペイント本社ホール(大阪市北区)において開催されました。アンコール講演は初めての試みで、従来から年三回の講演会を東京御茶ノ水の化学会館で開催しておりますが、年々参加者が増え、昨年度は三回の参加者合計が初めて300名を越えました。しかしながら、会場定員を超えた申込をいただき参加者を制限することになり、皆様には大変ご迷惑をおかけしました。その対応策として、昨年度の講演から最前線の演題を抜粋したアンコール講演を企画しました。また、会場を大阪に設定した事も、参加者の少ない関西以西の活性化に繋がればとの思いからでした。会場には125名という多くの方々のご参加をいただき、講師の工夫を凝らした講演と共に、質疑応答など活発な意見交換もあり、終始盛況でした。  

 
 当日は、副会長・小石セミナー委員長が協会を代表しての挨拶に続き、三回の講演テーマの『No Headache Line を目指して』『機能性コーティングの先進技術』『カラー創造の世界を覗き見る』から自動車塗装に関連の深い演題を選抜しました。
 環境配慮型商品の水性塗料の現象解明について物性を切り口にした判りやすい解説がなされました。次の自動車塗装ラインの塗膜欠陥の殆どが起因する下地工程の改善実例と、日本初の床下塗装の無人化達成について動画を駆使した報告では、数多くの質問があり、活発な討議になりました。普段あまり聞くことができないマーケッティング戦略について紹介されたマーチのカラー価値向上の取り組み事例は新鮮でした。化粧品業界における意匠性設計技術をパール顔料の光学特性を活用した興味ある事例を紹介され、最後の特別講演は国際会議の動向と現在から将来塗装系についての見解を、特に講師のご厚意によって時間を延長しての講演でした。
 塗装技術からの視点による唯一の講演会であり、今後も、皆様のニーズに応えたテーマを選択し、ホットな話題と新技術の詳細な解説を盛り込んだ講演を提供していくつもりです。今後ともご支援、ご参加をよろしくお願い致します。
 
                                       アンコール講演実行委員長 長田功一
                                       平成20年 5月23日

主催日本塗装技術協会
協賛日本化学会色材協会日本塗装工業会
日本防錆技術協会表面技術協会日本自動車車体工業会
日本塗装機械工業会日本工業塗装協同組合連合会日本塗料工業会
( 順不同 )

期日平成20年 5月16日(金)
会場日本ペイント竃{社4Fホール 〒531-0077 大阪府大阪市北区大淀北2−1−2

参加者125名
参加登録費主催、協賛学協会会員15,750円
非会員21,000円
学生3,150円

プログラム

9:50〜  開会の挨拶    日本塗装技術協会 セミナー委員会
講演1 「水性塗料に発生する塗膜欠陥」
(平成19年度第1回講演会 No Headache Line を目指して より)
10:00〜10:50 関西ペイント株式会社 分析センター 部長 中井 昇
溶剤系塗料と異なり、水性塗料は系が分散系であり、この系の違いや水の特性が関与する塗膜欠陥が溶剤系より発生しやすい。これら水性塗料において発生する塗膜欠陥とその発生現象について説明する。

講演2 「塗膜/ゴミ欠陥を設備で防止する」
(平成19年度第1回講演会 No Headache Line を目指して より)
10:50〜11:40 トヨタ自動車株式会社 堤工場 塗装部 技術員室 田中 健太郎
塗装欠陥(異物付着)の70%近くが下地工程(電着・シーラー・中塗)起因となっている。この慢性化した不良に対し、設備面からの対策を説明する。

昼食休憩(60分間)
講演3 「3方向スリットノズルガン床下塗装」
(平成19年度第2回講演会 機能性コーティングの先進技術 より)
12:40〜13:30 いすゞ自動車株式会社 車両技術部塗装技術グループ 指導職 有田 匡輝
自動車機能性塗装の代表である床下塗装(遮音、制振‥)の先進工法例として、日本初採用の特殊ガンによるロボット塗装事例を紹介する。また、本工法の応用展開可能性に言及する。

講演4 「マーチのカラー価値に重点を置いたマーケティング戦略」
(平成19年度第3回講演会 カラー創造の世界を覗き見る より)
13:30〜14:20 日産自動車株式会社 マーケティング本部 マーケティングマネージャー 石井 美和
マーチはブランド価値を高める重要な要素として、カラーへの取り組みに注力してきた。25周年を迎えた今年度は商品〜コミュニケーション〜販売現場まで一貫した取り組みでの話題化促進により、更なるブランド価値向上を図っている。

休憩(10分間)
講演5 「表面修飾パール光沢顔料の形態制御被覆技術による設計とファンデーション仕上がり効果」(平成19年度第3回講演会 カラー創造の世界を覗き見る より)
14:30〜15:20 株式会社資生堂 マテリアルサイエンス研究センター 八木 克彦
粉末原料の光学特性の制御はメーキャップの仕上がりを左右する重要なポイントである。形態制御被覆技術という独自のコーティング゙技術によりパール光沢顔料の表面修飾を行った各種複合粉末の開発と、その特異な光学特性を活用したファンデーションへの応用事例を紹介する。

講演6 特別講演「国際会議に見る塗装技術」
(平成19年度第3回講演会 カラー創造の世界を覗き見る より)
旭サナック株式会社 常務取締役 戸田 紀三夫
一部
15:20〜16:10
二部
16:15〜16:45
欧米における塗装に関する国際会議での動向を報告すると共に、会議などを通して感じる欧米との仕事の進め方の違いや、現在世界中で最も関心の高い3WETなどコンパクトコーティングプロセスについて私見を述べる。


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