プログラムへ

 <講演会報告> 平成21年度日本塗装技術協会 特別企画講演会アンコール講演(大阪開催)

 アンコール講演は平成21年度の特別企画講演会として昨年に続いて2度目であり、日本ペイント本社(大阪市北区)ホールにおいて11月20日に開催した。年3回の講演会を東京で開催しているが、関西以西の方への要望やその講演を聞き逃した方に応えての開催である。
 今回は「塗装技術の歴史と最前線」と題して、平成20年度に開催した「電着と歩んだ錆との戦い50年」「塗装現場の革新」「環境総決算」の中から自動車塗装を中心に、最新情報を追加していただくために、5講演に厳選し講演時間を延長した。
 

 
 第1講演は、大氣社の松原講師から電着設備の50年の変遷と今後の課題について説明があり、第2講演は、エービービーの岩田講師からCO排出量削減の動向とコンパクトブースを具現化するロボット塗装の最新事例の報告があった。
 昼食後の第3講演は、タクボエンジニアリングの佐々木講師から、携帯電話の変遷するニーズに対応する塗装方式の進化を動画中心に判りやすい説明が参加者から好評であった。第4講演は、いすゞ自動車の田村講師から「パリ塗装国際会議SURCAR特別賞」を受賞が臨場感のある再現含めて講演であった。
 休憩を挟んで、最後を締めくくった第5講演は、トヨタ自動車の児玉講師から、前半に電着塗装の解説をされた後、時間延長した後半には中上塗装の将来展望についてご講演いただいた。
 この不況下において、今回の講演には60名もの参加をいただき、塗装技術への関心は非常に高いと感じられた。
 アンコール講演(大阪開催)は次年度以降も継続して開催することが決定しており、ニーズの高いテーマを選択し、ホットな話題と新技術の解説を盛り込んだ講演を提供していきたい。多くの方々にご参加いただける講演会にしていきたい。
 

アンコール講演実行委員長 長田功一

主催日本塗装技術協会
協賛日本化学会色材協会日本塗装工業会
日本防錆技術協会表面技術協会日本自動車車体工業会
日本塗装機械工業会日本工業塗装協同組合連合会日本塗料工業会
日本塗料検査協会 ( 順不同 )

期日平成21年11月20日(金)
会場日本ペイント竃{社4Fホール 〒531-0077 大阪府大阪市北区大淀北2−1−2

参加者61名
参加登録費主催、協賛学協会会員15,750円
非会員21,000円
学生参加者3,150円

プログラム

9:50〜  ガイダンス    日本塗装技術協会 セミナー委員会
講演1 「電着塗装設備の変遷と今後の課題」
10:00〜11:00 株式会社大氣社 塗装システム事業部技術企画室 室長  松原 出
電着塗装の歴史を設備側から振り返ると、基本は不変であるが、ゴミブツ低減や塗料回収・排水削減などの問題についていろいろな改善が実施されてきた。また現在は、搬送設備まで含めた改善例も出てきた。ここでは、それらの概要について紹介する。

講演2 「ロボット塗装システムが可能にする環境への負荷低減」
11:0〜12:00 エービービー株式会社 ロボティクス事業部ペイントラボグループ 岩田 琢
天井吊りロボット塗装システムにより、自動塗装ブース面積の縮小化が可能となり、ブース空調エネルギーの大幅低減を可能とした。さらには、新型塗装システムの導入により塗料使用量、塗料ロスを削減することができる。ここでは、これらの最新塗装技術動向と、環境負荷低減への貢献を概説する。

昼食 & 当社歴史館見学(60分間)
講演3 「部品塗装の新技術」
13:00〜14:00 タクボエンジニアリング株式会社 代表取締役 佐々木栄治
吊り下げロボット・回転塗装等の要素技術をパッケージ化した塗装システム、遠隔地ロボットへのデータ転送塗装、IHによる超短時間乾燥‥など、革新が現実化する低炭素社会に対応した小物部品塗装の世界を紹介する。

講演4 「リーン・グリーン・コンパクト上塗ブースを目指して」
14:00〜15:00 いすゞ自動車株式会社 車両技術部塗装技術グループ シニアスペシャリスト 田村吉宣
昨年9月に立ち上げた「いすゞ藤沢無人上塗ブース」について「現在・過去・未来」の時間軸でリーン・グリーン・コンパクトを目指し続ける戦略と技術を語る。
<パリ塗装国際会議SURCAR「特別賞」受賞、日本塗装技術協会「技術賞」受賞>

休憩(15分間)
講演5 「自動車塗装の将来展望」
15:15〜16:30 トヨタ自動車株式会社 車両技術本部車両材料技術部 シニアスタッフエンジニア 児玉 敏
カチオン型電着塗装を中心とした自動車防錆技術や霧化塗装による中上塗りの意匠外観形成技術は、長期間に亘りグローバルスタンダードとして確固たる地位を築き上げてきた。しかし、近年の自動車を取巻く環境の変化から新たな技術構築に向けた試みも始まっており、その将来展望についていくつかの観点から考察する。



Copyright(C); 2006, Japan Coating Technology Association. All Rights Reserved.