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 <講演会報告> 平成22年度特別企画講演会 アンコール講演(大阪開催)を終えて

 11月12日に大阪 日本ペイント殿にて平成22年度大阪講演を開催しました。
 大阪講演は東京での講演を逃した方、及び関西以西地区活性化をめざし平成20年度「塗装技術の最前線」、平成21年度「塗装の歴史と最前線」と開催してきています。
 今回講演企画としては『塗装品質を支える基本技術と自動車塗装最新情報』の紹介としておりますが、副題として沈みきっているような感じのある日本経済に少しでも活気を与えられないかという思いも込めて行いました。大阪講演は、東京での講演で特に評判の高かった講演者に再度大阪で講演していただく形を採りましたが、単純なアンコールということではなく、更に進化し、興味をそそる講演を行っていただきました。
 

 
 森田講師 栗田工業鰍ノよる"水の話しの講演"では、塗装工場に関連ある内容を盛り込んでいただき最先端技術が塗装現場にも活用できる道の模索、西森講師  四国総合研究所による"ライフサイクルコスト低減長期耐久塗装の講演"では、コストの捕らえ方、暴露試験評価法に関しての問題提起、平田講師 平田技術士事務所による"ゴミブツ見える化の講演"では、会場全てを使った全員参加の講演で明日から直ぐに応用できる対応策について、山本講師 日産自動車鰍ノよる"自動車の傷修復クリア塗装の講演"では、全てが順風では無く立ち上げ時の苦労話しなど、多田講師 ホンダエンジニアリング(株) による"自動車工場コスト低減の講演"では、コストと品質の両立を目指す思いなど熱く語っていただきました。各講師とも講演時間一時間では講演しきれないほど内容が濃いものでした。講演時に聴講者に配布される予稿集に沿った講演となりましたが、参加された方にしか伝わらない思いや情報が溢れ、各講師の方の情熱が聴講者の方へも届いたことと思います。
 塗装技術協会は、最新の塗装技術テーマ、トピックスを紹介する場として定期的にセミナーを開催しております。今後とも大阪講演を通じて関西以西地区の方への最新情報を提供するよう努めてまいります。
 次回定期講演会は、22年度第3回東京公演を来年2月4日に日本ペイント品川にて開催します。タイトルは、『自動車塗装の最新技術動向とStategy』として、自動車塗装に的を絞った講演を開催します。是非ご参加いただければと思います。

平成22年度特別企画講演会 実行委員長 椛蝓社 町田竹雄

主催日本塗装技術協会
協賛日本化学会色材協会日本塗装工業会
日本防錆技術協会表面技術協会日本自動車車体工業会
日本塗装機械工業会日本工業塗装協同組合連合会日本塗料工業会
日本塗料検査協会 ( 順不同 )

期日平成22年11月12日(金)
会場日本ペイント本社4Fホール  大阪府大阪市北区大淀北2−1−2

参加者40名
参加登録費主催、協賛学協会会員15,750円
非会員21,000円
学生参加者3,150円

プログラム

9:50〜  開会の挨拶    日本塗装技術協会 セミナー委員会
講演1 特別講演 「水と洗浄 <超純水と機能水、そして最新の電解技術>」
10:00〜11:00 栗田工業株式会社 開発本部 装置開発第一グループ グループリーダー 森田 博志
水とは何か?産業ニーズに対する処理方法と溶存物質量との対比から、得られる水質や発現する特性について、事例を交え解説する。また機能水では対応困難な洗浄ニーズ向けに開発された薬液電解技術も紹介する。

講演2 「新たなるライフサイクルコスト低減長期耐久塗装システムの開発」
11:00〜12:00 株式会社 四国総合研究所 化学技術部 主席研究員 西森 修次
50年の耐久が期待できる送電鉄塔補修用塗料「タワーバリヤーシステム」を紹介するとともに、屋外鋼構造物の補修塗装を想定した変性エポキシ塗料等との比較評価結果について報告する。

昼食(60分間)
講演3 ゴミ不良を無くせ!「見える化」による塗装現場のゴミブツ対策
13:00〜14:00 平田技術士事務所 代表 平田 政司
塗装工程における品質不良はコスト悪化の主要因となっている。その外観不具合の大半がゴミ・ブツによるものであり、この克服は永遠の課題である。今回は工業塗装におけるゴミ・ブツ退治に有効な、「見える化」手法を軸に、現場で即役立つノウハウを紹介する。悪さ加減が見えるようになると、対策が取りやすくなる。

講演4 「耐擦り傷塗装(スクラッチシールド)の開発」
14:00〜15:00 日産自動車株式会社 車体技術開発部 主管 山本 祥三
自動車の塗装は、鮮やかな意匠の創出や長期に渡る車体の防護に加え、新機能の付加による差別化要素として、極めて重要な位置を占めている。自動車用機能性塗装の一例として、スクラッチシールドの開発を紹介する。

休憩(20分間)
講演5 自動車塗装工程におけるコストダウン取組み 〜インディアナ新工場の事例〜
15:20〜16:20 ホンダエンジニアリング株式会社 車体生産技術部車体設備生産技術BL 技師 多田 映彦
本田技研工業(株)における製造コストダウンについては開発、生産技術、製造部門それぞれの日々の尽力により継続しているが、今回は特に生産技術から見た自動車塗装工程に対する取組みを紹介する。



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