講演1 自動車用遮熱塗料の開発
研 究 者 
○印発表者  
阿久澤 光弘 、 ○ 山中 正枝
所  属  富士重工業株式会社  
概  要日射による車体温度上昇を抑制し、エアコン負荷低減による燃費向上(CO2低減)・車室内環境快適性向上を狙いに赤外線高反射塗装系を開発した。従来技術では、無機系赤外線反射顔料を上塗り塗料に使用しており、制約があり課題が多かった。そこで、上塗り塗料に赤外線透過特性を持つ有機系顔料を採用し、中塗り層で赤外線を反射させる塗装系を開発した。これにより赤外線反射特性を損なうことなく、塗色設計自由度を向上させた。

講演2 ポリプロピレン樹脂用塗装の耐熱黄変における原因物質の検討
研 究 者 
○印発表者  
○西村 奈津子、 横山 博志、 渡邉 健太郎
所  属  日産自動車株式会社  
概  要自動車外装部品において樹脂部品に塗装する頻度が高くなっている。樹脂部品に塗装する場合は、鋼板上の塗装と比較し樹脂基材の影響を受ける。今回、この課題の中の耐熱黄変に関し、ポリプロピレン樹脂中の原因物質の検討を行ったのでその内容を報告する。

講演3 電着塗装における仮想表面を使用した自動車ボディ全体の膜厚分布の数値解析
研 究 者 
○印発表者  
○小原 勝彦、 ※崎田 賢治、 ※林 慶一
所  属  上村工業株式会社  ※株式会社 大気社  
概  要自動車のボディの膜厚分布解析では,その大きさや形状の複雑さから,付き回りに課題がある部分に限定した解析に留まっていた。ボディを正確に膜厚分布を求める実体表面部分と形状を簡略化した仮想表面部分でモデル化し,仮想表面部分の実際の面積との比として表面係数を導入して、ボディの全体解析を実現した。本発表では,全体解析の方法の定式化と解の信頼性を計算機実験で明らかにし,さらにボディ全体の解析事例を紹介する。

講演4 水性塗料の仕上がり肌及びタレ性を制御する空調条件と塗装システムの研究
研 究 者 
○印発表者  
○檜原 篤尚、 竹内 徹、 五十嵐 浩史 
所  属  関西ペイント株式会社 
概  要塗料の水性移行に対し空調エネルギーの増大は大きな課題である。故に広い温湿度でも仕上がり良好な水性塗料の塗装システムが望まれている。本研究では、まず仕上がり肌とタレに影響する空気特性を調べ、それが「飽和蒸気圧と蒸気圧の差」であることを明確にした。そしてこれを基に、置かれた空調下での水の蒸発量を予測し、塗装前のNVを調整して肌とタレを制御した。またNV調整のために独自のインライン水希釈装置も考案した。

講演5 二液塗料の分散と洗浄性に関する考察
研 究 者 
○印発表者  
○土江寛文
所  属  旭サナック株式会社 
概  要二液塗料の高粘度化や水性化と適用業種の拡大に伴い、インライン混合装置の分散能力や洗浄性の向上が求められている。二液塗料のインライン混合には一般的にはスタティックミキサが用いられるが、今回はインラインで使用可能な回転ミキサを用いて分散能力と洗浄性の評価を行った。本発表では二液塗料の回転ミキサにおける分散・洗浄能力を考察するとともに、塗料特性に与える影響についてもいくつかの知見が得られたので報告する。

講演6 建築外装用塗膜の特性と屋外曝露汚染性に関する研究
研 究 者 
○印発表者  
○小川 哲夫、 杉島 正見
所  属  関西ペイント販売株式会社 
概  要種々の建築用外装塗膜の屋外曝露を実施し、塗膜特性と屋外曝露汚染性との関係を調査した。塗膜表面の親水化機能を持たない塗膜の汚染性は表面硬度と破断伸び率の影響が大きいことが実証された。一方、親水化機能を有する塗膜の汚染性は、これらの特性と相関がなく、塗膜表面の水接触角にのみ依存することがわかった。

講演7 造膜過程の初期における塗膜表面形状の追跡
研 究 者 
○印発表者  
○河野 友浩、 柴原 孝子、 岩田 顕範
所  属  日本ペイント株式会社 
概  要自動車水生塗料の造膜初期における表面形状変化は未解明の部分が多く、リアルタイムでの表面形状測定を報告した例はわずかである。特に知見の少ない、塗着後から予備乾燥工程の終了までに着目し、非接触式粗度計により表面形状の変化を追跡した。さらに、調湿装置を自作して、形状変化に対して湿度が与える影響の評価を試みたので報告する。

講演8 塗膜への扁平顔料添加による耐チッピング性向上の物性メカニズム
研 究 者 
○印発表者  
○位田 卓、 岩田 顕範
所  属  日本ペイント株式会社 
概  要自動車塗膜に顔料を添加すると実用性能上重要な耐チッピング性が変化することは一般によく知られている。我々は、扁平状の無機顔料であるタルクをある一定量添加することによって、耐チッピング性が向上することを確認した。この効果に注目し、様々な物性解析手法を用いてチッピング破壊時に塗膜中のタルクが及ぼす物理的作用メカニズムを探索している。

講演9 環境に優しい重防食塗装システムの防食性能評価
研 究 者 
○印発表者  
○鎌田 由佳、 田辺 知浩、 永井 昌憲、 田邉 弘往
所  属  大日本塗料株式会社 
概  要没水部塗装には、従来よりタールエポキシ樹脂塗料が用いられていたが、環境面や施工性等の問題から、これに替わるタールフリーでかつVOC量の少ない厚膜形変性エポキシ樹脂塗料が開発されている。本研究では、この塗料について耐塩水噴霧試験、塩水浸漬試験、温度勾配試験等の各種防食性試験を行うとともに、カレントインタラプタ法を適用して塗装鋼の電気化学測定を実施した。その結果、促進試験においては、タールエポキシ樹脂塗料と同等の防食性を有することを確認した。

講演10 耐汚染性に優れたプレコート鋼板とその特性
研 究 者 
○印発表者  
○白垣 信樹、 小菅 哲嗣、 和氣 亮介、 金井 洋
所  属  日鉄住金鋼板株式会社 
概  要塗膜表面の形状制御技術と親水化成分の表層配向技術を複合化することで、意匠性と耐汚染性に優れたプレコート鋼板を開発した。この塗膜は微細で滑らかな縮み柄表面によりマット調の高意匠外観をもっている。このプレコート鋼板の特性について報告する。

講演11 ゼロVOC水性エポキシ樹脂塗料の開発
研 究 者 
○印発表者  
○小室 冨雄、 山本 実、 川崎 実  
所  属  株式会社 タイムケミカル  
概  要“VOCの完全ゼロ化は発生源から”のコンセプトで、“非揮散エポキシ系反応性乳化剤”を合成開発し、次にそれらをベースに“非揮散硬化性水性エポキシベ−スレジン”、及び“非揮散性アミン硬化剤”を開発、最終的に“完全ゼロVOC水性エポキシ塗料”を開発した。それらのために行った実験、VOC分析及び塗料性能試験の結果を報告する。

講演12 融雪用発熱グリッドの開発
研 究 者 
○印発表者  
○坪田 実、 武井 昇、 ※齊藤 順一郎、 ※齊藤 義郎
所  属  職業能力開発総合大学校、 ※東洋興産株式会社  
概  要ガラス繊維からなるグリッドに導電性塗料と絶縁塗料を塗付し、融雪用発熱グリッドなるものを開発した。発熱グリッド(G)の塗装系を確立するために行った実験、並びにGの発熱特性を明らかにするために、公共道路に敷設されている融雪ケーブル(K)を使用して、GとKの温度分布や発熱効率を調べた結果を報告する。



Copyright(C); 2006, Japan Coating Technology Association. All Rights Reserved.