講演1 流速依存性を考慮した電着塗装シュミレーションのための塗膜析出モデル
研 究 者 
○印発表者  
○長井 悠、*大西 有希、**天谷 賢治
所  属 東京工業大学大学院 情報理工研究科 情報環境学専攻修士1年
*助教
*教授
概  要 電着塗装における膜厚の予測手法として期待される電着塗装シミュレーションにおいては、電流・電圧時刻歴の関係式(塗膜析出モデル)をより正確にすることが求められている。昨年発表した析出モデルでは、4枚BOXの内側のような奥まった箇所の精度が良くないという問題があった。本研究では塗膜析出の流速依存性に着目して塗膜析出モデルの改良を行い、電着塗装シミュレーションの精度向上を試みる。

講演2 テラヘルツ・パルス・エコー法を用いた塗装膜の非接触リモート計測
研 究 者 
○印発表者  
○中村 翔太、谷池 亮人、安井 武史
所  属  徳島大学大学院先端技術教育部知的力学システム工学専攻  
概  要  塗装膜測定は塗装製品の品質管理のために重要であり、基板や塗装膜の種類に応じて各種の接触式膜厚計(電磁誘導式、渦電流式、超音波式)が利用されてきたが、移動物体やウェット膜への応用が困難であった。THzパルスは非金属物質に対する良好な透過性があり、レーザービームのように自由空間を直進的に伝搬することができる電磁波である。本発表ではTHzパルス・エコー法による塗装膜の非接触リモート計測を報告する。

講演3 回転基板上の液膜から放出される液滴のサイズ分布に対する基板形状の影響
研 究 者 
○印発表者  
○ 道浦 千惠、岡野 久仁彦、朝倉 浩一
所  属  慶應義塾大学理工学部  
概  要  高速で回転しているベル型基板上に液体を注入し続けた際に、その基板上に自発的に形成される液膜の流動パターンの観察を行い、流動パターンに対するベル型基板の形状の影響について調査を行った。また、その液膜がカップの縁に到達し、そこから放出される液滴のサイズ分布に対する影響についても調査を行った。さらに、流動パターンの発生と放出される液滴のサイズ分布の関係についても検討を行った。

講演4 架橋アクリル微粒子の調製と塗料用途への展開
研 究 者 
○印発表者  
○小萱 亜矢
所  属  綜研化学株式会社 微粉体部技術G  
概  要  当社ではアクリル又はスチレンを主組成とした様々な粒子径や粒度分布を持つ真球状微粉体製品を展開しており、用途もその特徴から多岐に渡る。新規開発品である架橋アクリル微粒子MZシリーズは従来の懸濁重合品と比較して粒度分布が狭く製造工程が簡便であるという特徴がある。MZシリーズ製造技術における従来方法との比較とその特徴から期待される塗料用途への展開について発表する。

講演5 超撥水撥油性の高分子ミクロおよびナノ粒子の製造
研 究 者 
○印発表者  
○吉田絵里
所  属  豊橋技術科学大学・大学院工学研究科・准教授
概  要  超撥水性および超撥油性の両方を兼ね備えた高分子ミクロおよびナノ粒子を、分散重合により合成することに成功した。メタクリル酸パーフルオロアルキルエステルの分散重合により得られた球状微粒子の大きさはパーフルオロアルキル基の鎖長に依存し、長鎖のものほど小さい粒子を形成した。この球状微粒子を塗布した表面の水および油に対する接触角はいずれも150°以上の高い撥水撥油性を示すことがわかった。

講演6 塗膜の雨スジ汚染性と雨滴挙動の関係
研 究 者 
○印発表者  
○宇留嶋 秀人、森 健二、木村 友哉、松田 英樹
所  属  関西ペイン株式会社 R&D本部CM研究所          
概  要  塗装建材の垂直面にみられる雨スジ汚染は、一般に塗膜が親水性であると起こりにくい。水滴の後退接触角と耐汚染性の相関については既に幾つかの報告があるが、その挙動を直接観察した例は少ない。ここでは、塗膜の親水性(静的接触角、動的接触角)と、水滴の挙動(形状、落下速度等)の関係について考察する。

講演7 塗膜の熱特性に関する評価
研 究 者 
○印発表者  
○赤毛 勇一、高谷 雅昭、齋藤 博之
所  属  東日本電信電話株式会社ネットワーク事業推進本部 サービス運営部技術協力センタ
概  要  事前公開不可

講演8 塗料物性が噴霧塗装に及ぼす影響の流体力学的考察
研 究 者 
○印発表者  
○藤本 修平
所  属  独立行政法人 海上技術安全研究所 構造系 構造解析加工研究グループ 研究員 
概  要  事前公開不可

講演9 二流体スプレー塗装 噴霧塗料ミスト径の予測
研 究 者 
○印発表者  
○澤田準平、増田暁雄 
所  属  三菱電機株式会社 生産技術センター 
概  要  二流体スプレー塗装において、塗料の吐出・微粒化、被塗装物への塗着などの噴霧現象を適切な状態に調整することが重要である。そこで本研究において、液体微粒化、流体力学の観点から、噴霧現象、特に塗料の微粒化について検討した。スプレーガンの種類、霧化エア圧、塗料粘度が噴霧塗料ミスト径に及ぼす影響を評価し、Lefebvreらによる液体微粒化の研究を基に、塗料ミスト径を導出する実験式を検討した結果を報告する。

講演10 水性塗料用エア静電ハンドガンの開発について
研 究 者 
○印発表者  
○桜井 宣文
所  属  旭サナック株式会社・塗装機械事業部・ユニット技術第2課・主任 
概  要  事前公開不可

講演11 摩擦帯電式静電粉体塗装特性に与える塗装ガン操作条件と塗料粒子特性の影響
研 究 者 
○印発表者  
○又野 直也、平野 雄貴※、本田 弘旭※、下坂 厚子※※、白川 善幸※※※、日高 重助※※※、伊藤 春揮*、柳田 建三*
所  属  同志社大学理工学部,学生
 ※大学院学生
 ※※大学院講師
 ※※※教授
 *旭サナック株式会社 
概  要  静電粉体塗装法では,塗料の帯電が,塗装ガン内での塗料粒子の衝突や摩擦に委ねられており,塗装ガンの操作条件と塗料粒子特性(粒子径分布,帯電特性)の選択が難しい.本報告では,塗装ガンの操作条件と塗着効率の関係を調べ,塗料粒子の帯電特性と被塗物表面を流れる流体の流速の関係から最適塗装条件が存在することを示す.つづいて,被塗物上に堆積した帯電塗料粒子層の構造観察法を提案し,平滑な塗膜形成には堆積した帯電塗料粒子層の堆積構造が密でなければならないこと,および堆積構造特性と塗装条件の関係を明らかにする.

講演12 外装建材向けカラー鋼板用クロムフリープライマーの開発
研 究 者 
○印発表者  
竹内 義智、○ 西田 信博、八木 信司、辻田 隆広
所  属  BASFジャパン株式会社 コーティングス事業部 
概  要  屋根材や壁材に成形加工して使用される外装建材用カラー鋼板(塗装ガルバリウム鋼板)は、クロム酸ストロンチウムを含むプライマーが使用されている。環境対応の点から新規防錆顔料によるクロムフリープライマーの開発が求められている。本報では、屋外暴露や施工物件の調査結果と複合腐食サイクル試験などのラボ評価結果を比較検討した結果及び電気化学的アプローチによる測定データについて報告する。

講演13 鉄道鋼橋りょう塗替え塗装における塗装の自動化に関する検討
研 究 者 
○印発表者  
○市川 昭人、中岡 豊人、竹内 徹、*露木 寿、* 内藤 孝和 
所  属  関西ペイント株式会社 CM研究所、*東日本旅客鉄道株式会社  
概  要  鉄道鋼橋りょうの塗替え作業現場は海岸付近から山岳地帯まで全国各地にあり、酷暑や寒風に曝される厳しい環境下での高所作業の危険性、熟練工の減少など様々な問題を抱えている。
備蓄タンクやガスホルダー等の大型建造物や高速道路等の鋼橋りょうなどの屋外塗装現場でも同様の問題を抱え、多くのメーカーがこれらの問題を解決するため塗替え塗装の自動化を検討してきた。周辺環境、作業環境への配慮のため、飛沫の少ないローラー塗装方法は大手橋りょう管理会社も採用しているが、接触式塗装のため塗装面凹凸(5o高さ程度)に追従できず、添接部(ボルト列)などが多く存在する鉄道鋼橋りょうには不向きである。そこで、塗装面に接触せずに塗装できるスプレー塗装方法を用い、鉄道鋼橋りょうの箱桁を対象とした塗替え塗装の自動化について検討したので、その結果について報告する。

講演14 ポリオレフィン樹脂塗料による橋梁用排水管の耐久性向上に向けた取組み
研 究 者 
○印発表者  
○ 河合 正則、山田 達哉、酒井 修平、*塘地 豊、**伊藤 成樹 
所  属  中日本高速道路株式会社、*株式会社トーチ、**鹿島建設株式会社   
概  要  近年、橋梁の老朽化対策が社会的な問題となっている。排水管からの漏水が要因で、橋梁本体の局部的な劣化を促進している事例も少なくない。そこで新東名の橋梁において、排水管の耐久性向上の取組みを行った。本文では、紫外線の影響を大きく受ける橋脚排水管を対象として、ポリオレフィン樹脂塗料(特許第4796326号)タンクステンコートの塗装効果を評価すべく各種試験を行ない、その有効性と施工性を確認した内容について報告する。


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