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 第33回塗料・塗装研究発表会レポート

講演風景

 第33回塗料・塗装研究発表会が平成30年3月8日に東京大学生産技術研究所コンベンションホールにて開催されました。今回も90名近くの多数の方々にご参加をいただき、熱のこもった発表と質疑応答が行われました。
 日本塗装技術協会 工藤会長の開会挨拶に続き、午前の部5件、午後の部6件の計11件の研究発表が行われました。塗膜の評価に関連する研究として、塗膜の耐候劣化、ホログラム技術を応用した塗装欠陥や塗装外観の可視化、塗膜の汚染性、塗膜の耐きず付き性、自動車塗膜の色差の計測値を用いた定量化に関する発表が行われました。塗装に関する研究として、塗装作業を3D-VRで再現したシミュレータを用いた研修、ローラー塗装の塗料飛散と塗料の物性値の関係、アプリケーター塗装におけるヴィスコスフィンガリング、ロボット塗装のティーチングプログラムの簡易的な作成に関する発表が行われました。また、カラートレンドに関する研究として住宅のインテリアのカラートレンドに関する発表、塗料に関する研究としてシャシ用高防錆粉体塗料に関する発表が行われました。
 今回も塗料・塗装に関連した非常に広範囲の分野について、学術的な研究から実用性の高い材料や機器についての最新の研究成果が紹介され、塗料・塗装の研究、技術の領域の広さを感じることができる研究発表会となりました。また、各研究発表に対して参加者から専門的な質問や意見が活発に出され、発表者との間で内容の濃い質疑応答が行われました。
 今年は、特別講演として「自動運転技術の概要・現状とその将来に向けた展望」という演題で、金沢大学新学術創成研究機構准教授 菅沼直樹先生にご講演を行っていただきました。自動運転という最先端で高度な研究内容を、多くの動画を交えて平易にわかりやすく解説していただき、自動運転に関する理解を深めることができました。この場をお借りして、改めて菅沼先生に御礼申し上げます。
 研究発表終了後、研究発表委員による審査が行われ、予稿集の内容と当日の発表内容を総合的に評価した結果、「シャシ部品用高防錆粉体塗料の開発」 を発表された日野自動車株式会社 柴野赳雄様、「塗装ロボットでのティーチングプログラム簡易作成方法について」 を発表された旭サナック株式会社 岩田裕大様、加藤瑞樹様の2件の研究発表に研究発表優秀賞を送ることが決定されました。
 次いで、場所を発表会場横のホワイエに移し交流会が行われました。交流会の中で、研究発表優秀賞の表彰が行われ、その後引き続き、皆様にご交流いただきました。今回の交流会には特別講師の菅沼先生や発表者も含め、例年を上回る多数の皆様のご参加をいただき、発表会にも増して活発な質疑応答や意見交換、情報交換が行われたことを、主催者一同大変喜ばしく思っております。
 今回も盛会のうちに終えることができましたことを、発表者の皆様、共同研究者の皆様、ご関係の皆様に心より御礼申し上げます。次回もまた、塗料・塗装に関連する広い分野の最新の成果についての多くの研究発表が寄せられ、多数の参加者の皆様と専門的で活発な討議が行われることを期待しております。

研究発表委員会委員長:本田康史(BASFジャパン株式会社)

主催日本塗装技術協会
協賛日本化学会色材協会日本塗料工業会
日本塗装工業会表面技術協会日本塗装機械工業会
日本工業塗装協同組合連合会日本防錆技術協会日本自動車車体工業会
高分子学会日本建築学会日本油化学会
土木学会日本鉄鋼協会腐食防食協会
自動車技術会日本金属学会応用物理学会
材料技術研究協会日本レオロジー学会日本印刷学会
粉体工学会静電気学会日本粉体工業技術協会
日本塗料検査協会日本建築仕上学会国際工業塗装高度化推進会議

期日平成30年 3月 8日(木)
会場東京大学 生産技術研究所 (駒場リサーチキャンパス)
コンベンションホール (An棟2階)
〒153-8505 東京都目黒区駒場4−6−1

発表申込締切平成29年10月20日(金)一般発表11件
参加登録費当協会会員・協賛学協会会員8,640円
同35歳以下6,480円
学生会員・研究室学生会員1,080円
非会員10,800円

プログラム

[開会挨拶]
09:55-10:05
日本塗装技術協会 会長  東京大学 生産技術研究所 教授 工藤 一秋 

[一般講演]
10:05-10:45
座長  上野圭一 (日本パーカライジング)
1)
屋外暴露環境の違いによる塗膜の耐候劣化への影響
 (スガ試験機)〇渡辺 真、金原友美、昼間健人
2)
低コヒーレンスディジタルホログラフィを用いたボディパネル多層塗膜評価法
 (島根大学)〇岡田和樹、横田正幸
10:45〜11:00
休 憩 
11:00〜12:00
座長  安達陽一 (日本ペイントホールディングス)
3)
シャシ部品用高防錆粉体塗料の開発
 (日野自動車)〇柴野赳雄
4)
雨筋汚染促進評価手法の研究 〜カーボン種と粒子径の影響〜
 (関西ペイント)〇安原 誠、中岡豊人、北谷由梨
5)
薄膜プレコート鋼板の耐疵付き性に及ぼす微粒子粒径の影響
 (新日鐵住金)〇柴尾史生、植田浩平、東新邦彦、森下敦司
12:00〜13:15
昼 休 憩 
13:15〜14:15
座長  河村保明(新日鐵住金)
6)
住空間におけるデザイントレンド調査
 (日本ペイント・インダストリアルコーティングス) 〇中塚美絵
7)
自動車塗色における色差の感じ方に対するマルチアングル測色機器の活用
 (クリイノ創研)〇若井 宏平、(ダイハツ工業)中山 泰、 神澤 啓彰
8)
3D-VRシミュレータを用いた造船塗装技能者向けスプレー塗装研修の開発
 (海上・港湾・航空技術研究所)〇藤本修平、谷口智之
14:15〜14:30
休 憩 
14:30〜15:30
座長  畠 隆行 (アネスト岩田)
9)
ローラー塗装時の塗料飛散量低減技術
 (日本ペイントホールディングス)〇小池謙太、石田 聡
10)
粘性液体の塗工過程における自発的空間パターン発生機構の解析
(慶應義塾大学)〇林田啓佑、伴野太祐、(パレエルモサ)佐藤昇正、中村直生、前沢大介
(東京工科大学)正木仁、(ニッコールグループ)矢作彰一、(黒田総合技研)黒田章裕、
(慶應義塾大学)朝倉浩一
11)
塗装ロボットでのティーチングプログラム簡易作成方法について
 (旭サナック)〇岩田裕大
15:30〜15:45
休 憩 
注)一般講演の氏名○印は発表者とします

[特別講演]
15:45〜16:45
座長  本田康史(BASFジャパン)
 
演題
「自動運転技術の概要・現状と その将来に向けた展望」
 金沢大学 新学術創成研究機構 准教授
 菅沼 直樹 先生

[交流会]
17:10〜19:00
於 発表会場横ホワイエ


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