講演1 ローラー塗装可能な建築用メタリック塗装工法
研 究 者
○印発表者  
〇岡本 将、雑賀 忠信
所  属関西ペイント株式会社 汎用塗料本部 建設第2技術部
概  要 近年、建築物にも高意匠性が求められている。当社ではこの要求に対し、ローラー塗装が可能なメタリック仕上げ塗料及びその工法を開発した。本工法は、従来の上塗りエナメル塗料を塗装後、光輝材を配合したシロキサン結合とエポキシ/アミン結合の複合架橋を有するクリヤー塗料を塗装することで仕上げる工法である。
配合する光輝材の粒径や量を制御することで、エナメル塗膜が透けて見えるため高意匠性を発現する特長を有する。

講演2 内装用水性塗料の飛散メカニズムの解明および飛散抑制塗料の開発
研 究 者
○印発表者  
○石田 聡、川上 晋也、久保 聡宏
所  属日本ペイントホールディングス株式会社
概  要 ローラーで塗装する際に、塗料が飛散し周囲が汚れる。それを防ぐために行う養生には多くの工数が必要となり、ローラー塗装作業性の大きな課題の一つであった。そこで、我々は塗料飛散を抑制した塗料開発に取り組んだ。本発表においては、内装用水性塗料を対象とし、可視化により明らかにした塗料飛散発生過程および制御のためのレオロジー特性について報告する。

講演3 サーモクロミック機能を有するプレコート鋼板の開発
研 究 者
○印発表者  
〇柴尾 史生
所  属 日本製鉄株式会社 技術開発本部・鉄鋼研究所
概  要 プレコート鋼板は家電筐体や建材に多用されている。プレコート鋼板の用途拡大を目的に、温度により可逆的に色調が変化するサーモクロミック機能付与に取り組んだ。顔料化したサーモクロミック染料を塗膜に分散することでサーモクロミック機能を付与できることを確認した。また作製したサーモクロミック鋼板について屋内用途を想定した性能として、繰り返し変色性、加工性、耐食性を調査した。

講演4 次世代農業機械向け意匠と塗装
研 究 者
○印発表者  
〇田中 宏明、湯澤 幸代
所  属 関西ペイント株式会社 工業塗料本部機能材料技術第2部
塗料事業部 技術開発第1部 
概  要 農機市場の動向/特徴から、株式会社クボタ殿におけるアニバーサリーカラー開発の紹介を実施する。また、自動車とは違った形状である農業機械分野での意匠性の特徴を加味した材料選定や、今後の世界市場に向けた取り組みを報告する。

講演5 Double cantilever beam(DCB)法による塗膜密着性の定量化検討
研 究 者
○印発表者  
〇本橋 侑子、鈴木 達也、筒井 宏典、清水 悟史、千葉 直道
所  属 日産自動車株式会社 カスタマーパフォーマンス&CAE・実験技術開発本部 材料技術部 高分子・塗料材料グループ
概  要 塗膜は被塗物表面に十分強固に付着しなければならないことは言うまでもなく、密着性は重要な塗膜物性の一つである。したがって、付着力を定量的に評価する試みが多くなされており、プルオフ法や斜め切削法などの試験法が一部で実用化されているが、いずれの試験も課題があり現在も碁盤目試験によるON/OFF評価が主流となっている。今回上記課題解決に挑むべくDCB(Double Cantilever Beam)法による定量評価手法を検討したので結果について報告する。

講演6 熱可塑性プラスチックとの接合性に優れた特殊表面処理鋼板
研 究 者
○印発表者  
〇上田 大地
所  属 日本製鉄株式会社 技術開発本部 鉄鋼研究所 表面処理研究部
概  要 近年、自動車・建材・電子機器業界では、軽量化などを目的にアルミおよびプラスチックの適用など異種材料を用いたマルチマテリアル化が検討されている。これら材料は単体適用だけではなく複合化による機能向上も期待される。そこで我々は鋼板を主体とした軽量材料でプラスチックとの複合化を目的にプラスチックとの接合性に優れる特殊表面処理鋼板を開発した。今回、同表面処理鋼鈑とプラスチックとの接合体の品質特性を報告する。

講演7カラーセンサーによる塗色の自動計測と混合評価への応用について
研 究 者
○印発表者  
〇加藤 啓太、加藤 雅宏
所  属 旭サナック株式会社 C営業技術部 システム1課 C技術開発部
概  要 塗料経路の自動色替えにおいては、経路内洗浄不足や充填の不足による色混じりを発生するリスクがある。
そこで経路内の色差や透明度を自動判定して、色混じりを防止するカラーセンサーを開発したが、今回はこのセンサーを使い、2液塗料の混合状態評価を代用し、適正な混合経路長を求めることに応用出来ないか研究を行った。

講演8 超高塗着エアレス塗装の適用拡大
研 究 者
○印発表者
〇村井 裕樹、大竹 伸弥、谷 真二
所  属 トヨタ自動車株式会社 車両生技開発部 塗装・成形室 主任
概  要 トヨタ環境チャレンジ2050の達成に向けて、塗着効率95%以上を実現する革新的な塗装システムを開発した。この超高塗着エアレス塗装は、従来のシェーピングエアを使わずに静電気を主として微粒化し、塗装するシステムである。本開発におけるブレークスルーポイントは主に3つあり、@先端加工点開発、A新高電圧制御開発、B品質(材料)適応開発である。今回、特にこのB品質(材料)適応開発について詳細を報告する。



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