講演1 自動車補修用 「オール水性 有機則フリーシステム」の機能向上
研 究 者
○印発表者  
〇立花 優志
所  属関西ペイント株式会社 日本事業部門 汎用塗料事業本部 車両技術統括部
車両第1技術部
概  要 自補修業界においては、生産性向上だけでなく、ESGの観点から作業者の健康や環境への配慮や、安心・安全な職場環境の実現への意識が高まっている。今回、2018年に開発したオール水性有機則フリーシステムから、クリヤー・プラサフの機能向上、耐スリ傷クリヤー・プラスチックプライマー等のラインアップの追加により溶剤並みの高作業性・高仕上がりを実現できるシステムへと大幅な機能向上を行った。

講演2 調色工程の比色作業における視線解析
研 究 者
○印発表者  
〇高井 由佳、池元 茂
所  属大阪産業大学・デザイン工学部
ボデーガレージイケモト
概  要 自動車修理塗装の調色において熟練技術者がどのように作業を進めているのか明確化するため、アイトラッカーを用いて注視場所および注視時間の解析を行った。トヨタ指定のシルバーメタリック色およびニッサン指定のレッド色をベースに作製したサンプルを仕上がり色として、塗装技術者に職場にて調色作業を行わせた。この作業をTobii Glass 2にて計測した。比色工程を解析対象とし、サンプルや調色シートのどこをどの順でどのくらいの長さ見ているのかを数値化した。

講演3 熱硬化型シラン系ネットワークポリマーによる硬化物性とCO2削減への貢献
研 究 者
○印発表者  
○深海 洋樹、松尾 陽一
所  属 (株)カネカ Performance Polymers (MS) SV
 Global Center of Technologyグループ Material Institute
 Application Researchチーム
概  要 プラスチック用コーティング剤として、主に熱硬化型ウレタンとUV硬化型アクリレートが使用される。前者は数十分の硬化と養生が必要で且つ、耐傷・耐薬などの膜物性はUV硬化型に劣る。後者は形状や着色に起因する硬化不良を生じる課題がある。本発表では、シラン系ネットワークポリマーの設計により実現した高い膜物性を有する低温硬化型コーティング剤の紹介に加え、本材料使用における塗装工程のCO2削減可能性についても紹介する。

講演4 塗装欠陥検出におけるAIと光学シミュレーションの活用
研 究 者
○印発表者  
〇吉田 龍一、相馬 祥人
所  属 コニカミノルタ株式会社 センシング事業部 外観計測事業推進部
概  要 自動車の塗装欠陥検出において、検出した欠陥を分類することで、下流工程では修正方法、修正条件の選択に活用し、また上流工程では源流改善に活かすソリューションを提供している。
このAI(教師有りDeep learning)においては、訓練用の画像が大量に必要であり、その収集には時間とコストを要する。この課題を解決するため、光学シミュレーションを活用し欠陥画像を生成する取組について報告する。

講演5 機械学習を用いた塗装品質シミュレーションの構築
研 究 者
○印発表者  
〇西口 哲矢、光ア 守、矢沢 由尚、高 潤、村井 智洋、川村 亮平
所  属 トヨタ自動車(株) モビリティ材料技術部
トヨタ自動車(株)高岡工場
(株)トヨタシステムズ 生産デジタル展開部
概  要 これまで自動車用塗料の塗色開発は、工場量産時の品質ばらつきを抑えるため様々な因子を想定したパネルを作成し評価を実施してきたため、多大な評価期間を要してきた。
今回、これら過去の評価結果を機械学習させることで、容易に評価結果を予測できる塗装品質シミュレーションを開発してきたので、発表する。

講演6 環境負荷低減に向けた高塗着効率と塗装仕上がりを両立する粉体塗装機について
研 究 者
○印発表者  
〇鈴木 勇祐
所  属 旭サナック株式会社 塗装機械事業部 技術開発部ユニット技術課
概  要 近年、塗装業界においてもSDGsやカーボンニュートラル等の環境負荷低減が注目されており、VOC削減や廃棄物量の観点から粉体塗装の採用が拡大している。
 また、塗着効率や塗膜品質の向上による塗料使用量の削減、塗装時間の短縮のアプローチでCO2の削減が可能となる。
当社はそれらニーズに対して各種粉体塗装機器を開発しており、高塗着効率と塗装仕上がりの両立、飛散する塗料を低減させた新製品の開発を行ったので報告する。



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