発表1 | 脱炭素社会に貢献するエア静電自動ガンの開発 |
研 究 者 ○印発表者 | 〇本山 祐 |
所 属 | 旭サナック株式会社 塗装機械事業部塗装技術部システム開発課 |
概 要 | 近年、塗装業界では環境負荷低減の取組みが強化されている。塗装機メーカとしてのCO2削減方策の一つは、高塗着塗装機を開発・提供する事と考える。この取組みは、付帯的にブースの小型化等、塗装設備の負荷も低減させる。本報告では、低風量エアで塗料を高微粒化するノズルと静電塗装で近接塗装を可能とする新帯電方式を採用した塗装機によるエア使用量、塗料使用量削減効果に基づくCO2排出量削減効果についての報告を行う。
|
発表2 | 可燃性粉体塗料用静電ハンドスプレイ装置の安全要求事項および試験方法 |
研 究 者 ○印発表者 | 〇崔 光石、蜩c 建三※ |
所 属 | 労働安全衛生総合研究所 電気安全研究グループ 部長 ※旭サナック株式会社 東京支店 |
概 要 | 粉体静電ハンドスプレイガンの着火に関する安全性を定量的に評価する手段について国内では具体化されていないのが現状である.このような状況を踏まえ,可燃性粉体塗料用静電ハンドスプレイ装置について国際的な情勢および防爆に関する安全規格を調査し,それらを基に粉体静電ハンドスプレイガンの安全要求事項および試験方法に関する安全指針を発行した。今回はその内容について紹介する。
|
発表3 | 大気圧プラズマ放電を用いた排気処理装置の開発 |
研 究 者 ○印発表者 | ○住谷 祐樹 |
所 属 | アネスト岩田株式会社 CT事業部コーティングシステム部システムエンジニアリンググループ |
概 要 | 近年の大気汚染に対する関心の高まりを受けて,汚染物質のひとつである有機溶剤の使用量を減らす工夫が求められている.しかしながら有機溶剤の優れた溶媒特性から完全になくすことは難しく,世界産業の発展に伴いその総排気量はむしろ増加している.排気中の有機溶剤の分解手法にはいくつか種類があるが,その中で大気圧プラズマを用いた分解手法に着目し開発を行った.
|
発表4 | 像の鮮明度測定技術 |
研 究 者 ○印発表者 | 〇田中 智 |
所 属 | スガ試験機株式会社 日高・川越工場開発部プロジェクトD 係長 |
概 要 | 私たちは物を見る時、色、光沢に加え、表面に写り込んだ像の鮮明さなど、さまざまな特性を総合的に知覚している。表面に写り込んだ物体の像が、どの程度鮮明にゆがみなく見えるかという度合いを像鮮明度といい、他の評価方法では得られなかった視感特性の差をとらえることができるため、物の見え方を定量的に評価するファクタとして広く用いられている。本研究では、像鮮明度の測定原理、測定例、測定の有効性について解説する。
|
講演5 | 分光老化試験機による分光劣化特性評価技術 |
研 究 者 ○印発表者 | 〇片野 邦夫 |
所 属 | スガ試験機株式会社 製造本部 プロジェクトT 課長 |
概 要 | 塗膜、プラスチック、繊維などの製品は、試料によってそれぞれ異なる分光劣化特性を持つ。分光老化試験機はキセノンランプからの紫外・可視放射を分光器で分光し、手のひらサイズの試験片上の異なる位置に、異なる波長の単色光を一度に照射することで、効率よく試料の分光劣化特性を評価することが可能な試験機である。本発表では、分光老化試験機の原理と、試験結果の事例を示す。
|
発表6 | 自動運転車のミリ波レーダー透過性における塗膜の影響因子解析と最適化 |
研 究 者 ○印発表者 | 〇ホ チータック (HO CHEE TUCK) |
所 属 | 日産自動車株式会社 材料技術部 |
概 要 | 自動運転技術の進化に伴い、バンパー裏のデバイスからのミリ波レーダー透過性が課題となっている。実験計画法を用いてレーダー減衰の影響因子と寄与度を検討した結果、主な因子はメタリックカラーの膜厚、アルミ顔料の形状と量、導電プライマーの導電性であることが判明した。これら因子を最適化することで、レーダー透過性と高意匠の両立が実現できた。本発表では、レーダー透過の影響因子と寄与度、改良方策について報告する。
|
発表7 | プレコート鋼板の耐食性に及ぼす塗膜の水蒸気透過性の影響調査 |
研 究 者 ○印発表者 | 〇林田 隆秀 |
所 属 | 日本製鉄株式会社 技術開発本部 鉄鋼研究所 表面処理研究部 主幹研究員 |
概 要 | プレコート鋼板の耐食性は塗膜中の防錆顔料の影響に加え、水などの腐食因子に対する塗膜の遮蔽性が影響する。塗膜の遮蔽性を評価する指標として、塗膜の水蒸気透過性に着目した。塗膜の膜厚や塗膜中に含まれる顔料種、顔料添加量と水蒸気透過性との関係性、さらにはその塗膜を積層させたプレコート鋼板の耐食性との関係性について整理した結果を報告する。
|
発表8 | CO2排出量削減に貢献するプレコート鋼板の検討 |
研 究 者 ○印発表者 | 〇武藤 亜希子 |
所 属 | 日本製鉄株式会社 東日本技術研究部 主幹研究員 |
概 要 | カーボンニュートラル実現に向けて、塗装工程におけるCO2排出量削減が求められている。塗装工程に関しては、焼付に必要な熱源や、塗料製造および設備稼働のための電力製造においてもCO2が発生する。これに対し、製品加工後の後塗装工程を省略することで、CO2排出量削減に貢献できるプレコート鋼板を検討している。本発表では、従来よりもCO2排出量を削減できる環境対応型プレコート鋼板に関する検討内容を紹介する。
|
特別講演 | 温泉熱の有効利用が再生可能エネルギーの最適解 |
研 究 者 | 川内 伸之 |
所 属 | エナジェクス株式会社 代表取締役 |
概 要 | 太陽光をはじめとする再生可能エネルギーは、SDGsの17のゴールの中で限定的に寄与しているに過ぎず、さらには環境保護の観点から見て逆行している開発すら多く見られるということが実態である。一方、温泉熱利用は、特定の地域での利用に限られるものの、SDGsだけではなく現在我が国が直面する課題を解決できる可能性を持つ。本講演では協会の皆様が取り組まれている先端技術や環境技術を温泉地の問題解決に活用できることを期待し、温泉熱利用の実例を紹介する。
|
|