日本塗装技術協会は、設立50周年記念事業の一つとして、『実用塗装・塗料用語辞典』の復刻電子版を公開いたします。本辞典は、1976（昭和51）年12月10日に、B5版230ページ黒一色刷の上製函入りとして発刊されました。発行者は会長を務められた浅原照三・東京大学名誉教授で、産官学からの錚々たるメンバーが編集と執筆を担当しました。
　当時600名（法人を含む）を超える会員の要望に則して300部発刊され、一冊3,500円で提供されました。約2,800項目からなる本辞典は、初心者をはじめ、塗装・塗料研究に携わる関係者の貴重な一冊となりました。
　本辞典は、日本の高度経済成長期の塗装・塗料研究の息吹を伝えるに十分な内容を備えています。しかし、電子化した各写真は、当時の解像度がそのまま反映されているために、少し見にくいかもしれません。そのような歴史を感じさせるこの復刻電子版をとおして、若い世代が塗装・塗料分野の発展のようすを理解し、その「ことば」が伝わることは意義深いことです。
　電子化を担当した多くの学生諸君の努力とホームページ管理会社の協力を得て、2014年10月より協会ホームページ上で公開できる運びとなりました。今後は、インターネットを経由して多くの皆様にご覧頂き、関連学協会と連携してこの分野の発展を反映する改訂版の発行が重要と考えています。このような活動によって、塗装・塗料研究のさらなる活性化と、社会の発展に貢献できれば幸いです。