プログラム

平成20年度第1回日本塗装技術協会セミナーを終えて

 長年慣れ親しんだ日本化学会館を離れ、より多くの参加者にお越しいただけるよう、今回は収容人数の多い、日本ペイント株式会社東京事業所 センタービルにて、セミナーを開催いたしました。お蔭様で、当セミナー過去最高の150名もの参加を見ることができ、主催者サイドとして胸を撫で下ろしております。
 今回は、塗装の持つ重要な機能の一つである防錆、特に金属成型体の防錆に対して圧倒的な優位性を誇る電着塗装に焦点を当て、「電着塗装と歩んだ錆との戦い50年」 と題してセミナーを企画しました。アニオン電着からカチオン電着への転換、クロム・鉛フリー化への対応、付き廻り性の更なる向上等々、50年を向かえる電着塗装の歴史と その技術変遷、また、電着塗装を取り巻く技術とし

てリン酸塩前処理、防錆鋼板、電着塗装設備、更には電着塗装最大の被塗物である自動車車体の防錆に関し、各分野の権威の先生方にご講演いただき、興味深くかつ有益な知見を 得ることができました。単なる歴史の回顧にとどまらず、最新技術の紹介や今後の方向性に関わるお話まで拝聴することができ、大変有意義なセミナーになったことを喜ばしく感じております。
 本セミナーを通し、電着塗装の今後の益々の発展が期待される半面、最終講演で児玉講師が示唆されていたように、現在の電着塗装の技術に満足することなく、これを超えるものを 生み出そうとする動きが、更なる防錆塗装の発展につながっていくことと思われます。
 セミナー委員会としては、今後もタイムリーなテーマ設定で、皆さまにご満足いただけるセミナーを企画していく所存です。どうぞご期待下さい。

                                   20年度第1回講演会実行委員長 石井 均

主催日本塗装技術協会
協賛日本化学会色材協会日本塗装工業会
日本防錆技術協会表面技術協会日本自動車車体工業会
日本塗装機械工業会日本工業塗装協同組合連合会日本塗料工業会
( 順不同 )

 
期日平成20年 6月13日(金)
会場日本ペイント株式会社 東京事業所 センタービルAホール
東京都品川区南品川4−1−15

参加者 148名
参加費(消費税込)当協会会員・協賛学協会会員15,750円
学生3,150円
非会員21,000円


プログラム

9:50〜10:00 開会の挨拶とガイダンス    日本塗装技術協会 セミナー委員会
特別講演 講演1 「電着塗装導入から安定期に至るまでに経験した課題とその対応の回顧」
10:00〜10:50 社名 : 元本田技研工業株式会社
役職・氏名 : 田辺 幸男
アウトライン :
電着塗装の導入、変革、盛隆の流れの中で、これに関わる多くの人々が課題解決に取り組み、奔走してきた。
今回はそれらの事例から数点を選んで回顧する。

前処理 講演2 「リン酸塩100年の歴史と電着塗装」
10:50〜11:40 社名 : 日本パーカライジング株式会社
部署 : 技術本部 次世代技術研究所
役職・氏名 : 主席研究員 盛屋 喜夫
アウトライン :
リン酸塩処理技術の歴史は100年を迎え、その半分を電着塗装と歩んできた。そして今や、防錆鋼板+リン酸塩+電着塗装は、特に自動車ボディーの防錆に対する基盤技術の地位を確固たるものにしている。
ここでは、防錆鋼板および電着塗装との関わりの中で、リン酸塩処理技術が歩んできた変遷について紹介する。

昼食休憩(60分間)
鋼板 講演3 「自動車車体防錆鋼板の変遷」
12:40〜13:30 社名 : 新日本製鐵株式会社
部署 : 技術開発本部 鉄鋼研究所表面処理研究部
役職・氏名 : フェロー 宮坂 明博
アウトライン :
自動車の車体防錆強化のニーズの変化とともに進化してきた、車体防錆鋼板の歴史を振り返る。

設備 講演4 「電着塗装設備の変遷と今後の課題」
13:30〜14:20 社名 : 株式会社大気社
部署 : 塗装システム事業部 開発・技術企画
役職・氏名 : 部長 松原 出
アウトライン :
電着塗装の歴史を設備側から振り返ると、基本は不変であるが、ゴミブツ低減や塗料回収・排水削減などの問題についていろいろな改善が実施されてきた。今後は、搬送設備まで含めた改善なども検討されつつある。ここでは、それらの概要について紹介する。

休憩(20分間)
塗料 講演5 「電着塗料の歴史と今後の課題」
14:40〜15:30 社名 : 関西ペイント株式会社
部署 : 自動車塗料本部 防錆塗料技術部 
役職・氏名 : 部長 御堂河内 奨
アウトライン :
電着塗料および塗装は半世紀以上の歴史をもち、'20年代のラテックスでの基礎技術の確立に始まり、'60年代にアニオン型、'70年代にカチオン型が工業化されて、現在では、自動車を始め色々な工業用分野の防錆技術として広く適用されている。ここでは、カチオン型を中心に電着塗料の歴史と今後の課題について紹介する。

車体防錆 講演6 「自動車防錆仕様の将来展望」
15:30〜16:20 社名 : トヨタ自動車株式会社
部署 : 車両技術本部 第一材料技術部
役職・氏名 : シニアスタッフ エンジニア 児玉 敏
アウトライン :
カチオン型電着塗装を中心とした自動車防錆技術はこの30数年間グローバルスタンダードとして確固たる地位を築き上げてきた。 しかし、近年の自動車を取巻く環境の変化から新たな技術構築に向けた試みも始まっており、その将来展望についていくつかの観点から考察する。


平成19年度セミナー委員会委員名簿

委員長小石 眞純 東京理科大学名誉教授 
副委員長光宗 真司 BASFコーティングスジャパン(株)
副委員長佐藤 和之 ホンダエンジニアリング
実行委員相澤 昭彦 日産自動車(株)
実行委員有田 匡輝 いすゞ自動車(株)
実行委員石井 均 日本パーカライジング(株)
実行委員菊田 眞人 関西ペイント(株)
実行委員佐藤 光史 工学院大学
実行委員澤入 泰 新日本製鐵(株)
実行委員長田 功一 日本ペイント(株)
実行委員中間 信也 関東自動車工業(株)
実行委員樋川 浩一 アネスト岩田(株)
実行委員町田 竹雄 (株)大気社
実行委員吉田 勝旭サナック(株)
諮問委員梅田 尚志 トヨタ自動車(株)
諮問委員小笠原 敏文 マツダ(株)
名誉委員西條 博之
名誉委員田村 吉宣 いすゞ自動車(株)


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