プログラム

<講演会報告>

令和2年度 第1回講演会を終えて

令和2年度 第1回講演会を「塗装のネックエンジニアリングへの挑戦」〜自動車メーカーが牽引する塗装プロセスイノベーション〜 と題しまして、2月26日にウエビナー形式にてオンライン開催致しました。
現在のコロナ禍を受けオンライン開催となりましたが、当日 63名と多くの聴講者に参加頂き、塗装最新技術に関しての活発な情報交換の場となりました。
講師の方々におかれましては、ご多忙の中 執筆・ご講演と多大なるご協力を賜りましたこと、この場を借りまして改めて御礼申し上げます。

今回は、グローバル社会からの塗装プロセスで発生するVOC、CO2などの環境負荷低減要求が年々高まる中、自動車業界では、電動化、自動化、コネクテッド化のみならず、塗装プロセスについても環境負荷低減の実現へ向けて、大変革を起こす新技術開発が進んでおり、その自動車メーカー及び自動車塗装設備メーカーの最新技術開発状況を紹介することで、塗装技術の更なる社会貢献へ繋げるべく開催させて頂きました。

第1講演は『SPring-8放射光を用いたX線イメージングによるメタリック塗膜形成における光輝材の挙動解析』と題しまして、ダイハツ工業株式会社LYU・SDGs・環境推進室 主任 中山 泰 様より、メタリック塗膜形成過程における時系列での光輝材の挙動を可視化し、そこから得られた塗膜粘度の光輝材挙動に与える影響についてご講演頂きました。
ベース、クリアの各塗膜形成過程において光輝材挙動を解析された結果が、非常に参考になったとのお声を頂いております。

第2講演は『車両塗装向けBELL GUNの開発動向と導入事例』と題しまして、本田技研工業株式会社 車体生産技術部 ACE 伊藤 裕一様より、これまでの開発経緯と最新BELLGUNによる内板&外板同一工程塗装の実ライン導入事例をご紹介頂きました。
実生産ラインへの適用事例が、今後の塗装ライン構成を設計・検討するのに有用な情報となったとの声が多く寄せられました。

第3講演は『超高塗着エアレス塗装システム開発』と題しまして、トヨタ自動車株式会社車両生技開発部 プロジェクトマネージャー 谷 真二様より、“50年ぶりの加工点の大改革“ として実現された超高塗着エアレス塗装について、成功に至った開発方針・着眼点、高効率メカニズム、そして導入実績と今後の取り組みについてご講演頂きました。開発への取り組み姿勢に深く感銘を受けたという声、今後のベースコートへの適用に向けた開発動向に非常に興味があるとの声を多く頂いております。

第4講演は『今日の塗装技術から明日の塗装技術へ』と題しまして、サメス・クレムリン(株)オートモティヴ・マーケティング部 マネージャー セバスチャン・セルス様(通訳:丹野様)より最新のスプレー塗装技術から、次世代技術として注目されているゼロ・オーバースプレー技術まで広くご紹介頂きました。
開発スピードの速さに驚愕したとの声が挙がっております。

開催後のアンケートでは、今回のオンラインでの開催について、会場への移動の必要がないので参加しやすい、映像・音声ともに良好で、進行もスムースであったという声を寄せていただき安堵いたしております。
次回もオンライン開催を計画しておりますので、より一層の改善に努めて参ります。
また、今後の講演で取り上げて欲しいテーマをいただき感謝しております。
セミナー委員一同で検討し、次回以降の企画の参考にさせていただきます。

次回の講演会は、令和2年度 第2回講演会「塗装のネックエンジニアリングへの挑戦(U)〜塗装の欠陥対応に関する最新技術紹介〜」を2021年6月18日(金)にオンライン開催致します。
是非参加を検討いただけますと幸いです。
塗装技術協会セミナー委員会一同、皆様の参加をお待ちしております。

令和2年度 第1回講演会
実行委員長 山田 誠

主催一般社団法人日本塗装技術協会  
協賛日本化学会色材協会日本塗装工業会
日本防錆技術協会表面技術協会日本自動車車体工業会
日本塗装機械工業会日本工業塗装協同組合連合会日本塗料工業会
日本塗料検査協会高分子学会自動車技術会
材料技術研究協会静電気学会日本印刷学会
粉体工学会日本金属学会腐食防食学会
日本建築仕上学会日本粉体工業技術協会日本レオロジー学会
日本油化学会国際工業塗装高度化推進会議 

 
期日2021年 2月 26日(金) 10:00〜15:20
会場オンライン開催

参加費日本塗装技術協会及び協賛学協会会員16,500円
非会員22,000円
学生参加者3,300円

プログラム

10:00 開会の挨拶とガイダンス    日本塗装技術協会 セミナー委員会
10:10〜11:00 「SPring-8放射光を用いたX線イメージングによるメタリック塗膜形成における光輝材の挙動解析」
No.1 ダイハツ工業株式会社 車両生技部 塗装生技室 主任 中山 泰
概要:
X線イメージングによる自動車メタリック塗装の光輝材挙動解析を行った。過去の解析結果から、塗装後の溶剤揮発に伴い光輝材が配向することが判っている。今回新たに、塗装直後の初期段階での光輝材の流動現象やクリア塗装後の配向変化等が確認でき、体積収縮及び粘度変化の影響が示唆された。

休憩(10分)
11:10〜12:10  「車両塗装向けBELL GUNの開発動向と導入事例」
No.2 本田技研工業株式会社 車体生産技術部 本間 将司
概要:
車両塗装向けのBELL GUNは、汎用品が広く利用されているものの、現場に則した改良を施す際の対応は難しかった。そこで、弊社では20年以上に渡り、塗装用のBELL GUNを自社開発し、生産現場の体質向上に取り組んできた。本講演では、これまでの開発動向と導入事例を紹介する。

昼食休憩(60分間)
13:10〜14:10 「超高塗着エアレス塗装システム開発」
No.3 トヨタ自動車株式会社 車両生技開発部 塗装・成形室 谷 真二
概要:
従来塗装機のシェービングエアを廃止し、塗料を静電気の力を最大限に利用して微粒化、飛行、塗着させ、塗着効率を圧倒的に向上させた。その結果コスト低減だけでなく、大型の塗装ブースもコンパクトにでき、ダウンフローも低減、更に塗料ミスト回収も簡易フィルターにすることでCO2や水資源に対する環境負荷を圧倒的に削減できる。将来の塗装工場の景色を大きく変えることのできる、この「加工点」変更開発におけるプロセスとその結果を紹介する。

休憩(10分)
14:20〜15:20 「今日の塗装技術から明日の塗装技術へ」
No.4 サメス・クレムリン株式会社 オートモティヴ・マーケティング部
マネージャー セバスチャン・セルス
概要:
現在、静電回転ベル塗装は自動車のボディ塗装に最も使用されている技術です。高電圧と回転速度数の増加により、品質と塗着効率が大幅に向上し、30年前に9台の塗装機でおこなっていた作業を現在では4台の塗装ロボットで対応することができるようになりました。弊社の製品開発は、各OEMの主な懸念に呼応するべく塗着効率の他、フレキシビリティやコネクティビティの向上に目を向けています。トレンドのペイントジェット技術に進む前に、既存の技術に未だ改善の余地はないか見てみたいと思います。


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