プログラム

<講演会報告>

2022年度 第1回講演会を終えて

2022年度 第1回講演会を「コーティングにおけるSDGsの考え方とアクティブなアプローチを目指して(II)」〜環境取り組みへの従来塗装のヤリキリと革新技術〜 と題しまして、6月17日にウエビナー形式にてオンライン開催致しました。
コロナウイルス感染防止を考慮し、今回も引き続きオンライン開催となりましたが、当日 87名と多くの聴講者に参加頂き、塗装の最新技術に関して活発な情報交換の場となりました。
講師の方々におかれましては、ご多忙の中 執筆・ご講演と多大なるご協力を賜りましたこと、この場を借りまして改めて御礼申し上げます。

地球環境保護の為のカーボンニュートラルの実現は、我々塗装に携わる関係者にとっては喫緊の大きな責務として考えなければなりません。その観点より、再塗装によるエネルギー及び手直しにより発生するランニングコストを削減する為の塗膜欠陥対策の取り組みは、塗装においては重要かつ永遠のテーマと考え、本講演を開催させて頂きました。持続可能な開発目標SDGsが提唱され、塗料・塗装業界においても地球保護のための環境に配慮した様々な活動がなされております。特にVOCなど環境負荷物質の低減、COの排出抑制に繋がる廃棄物量の削減や塗装焼付硬化時のエネルギー低減、塗装作業の工程数の削減やオーブンや空調など設備の簡素化の取り組みは、塗料・塗装業界において重要な課題と考え、本講演を開催させて頂きました。

第1講は「塗装前処理におけるCO2削減、節水技術の最新動向」と題しまして、日本パーカライジング株式会社 市場統括事業部 自動車統括グループ マネージャー 兒玉 貴裕 様より、従来のリン酸亜鉛に代わり、薄膜でスラッジ生成も少なくCO2削減に貢献するジルコニウム化成処理技術、室温で使用可能な脱脂剤、塗布型でスラッジゼロかつ水洗レスの下地剤についてご講演頂きました。水洗処理工程の短縮に関する質問などを頂き、改めて工程短縮への興味の深さを感じました。

第2講は「鋼構造物塗装における環境対応の動向と当社の取り組み」と題しまして、大日本塗料株式会社構造物塗料事業部 テクニカルサポートグループ グループ長 山内 健一郎 様より、VOC排出量削減に貢献する水性塗料、耐久性を上げて塗り替え回数を削減できる高耐久フッ素上塗り塗料、1回で厚塗りが出来る省工程の下塗り塗料などをご紹介頂きました。なかでも重防食シート工法は、シートを貼るだけで塗装の工程を省くことが出来る技術で、「早く長尺にして欲しい」などコメントを頂き、こちらも工程短縮に興味が集中していることを感じました。

第3講は「環境に貢献するEB照射技術」と題しまして、株式会社NHVコーポレーション EB加工部 京都EBセンター 主任 岡崎 泰三 様より、EB(電子線照射)の原理、特徴とその実用例についてご講演頂きました。なかでもUV硬化に代わる手法として、光開始剤を使わず、エネルギー消費量も少なく、耐久性は高く期待できることに興味深く拝聴致しました。

第4講は「プラスチック加飾技術の概要と今後の展開」と題しまして、MTO技術研究所 所長 桝井 捷平 様より、機能付加加飾、塗装代替加飾、バイオミメティクスを応用した加飾など沢山の事例をご紹介頂きました。塗装と加飾フィルムのCO2排出量の削減インパクトもさながら、加飾技術を使った意匠の多様性と可能性に大変興味深く拝聴致しました。

第5講は「持続可能な社会の実現へ/フィルム加飾技術からのアプローチ」と題しまして、日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 フィルム事業部 事業部長 小林 和人 様より、フィルム加飾工法の概要、機能、意匠性からライフサイクル分析までご紹介頂きました。特にCO2排出量の削減試算は業態によりホットスポットが異なるのでサプライチェーン全体をみる必要があるとのコメントに共感し取り組みへの重要性を感じました。

 今回の講演会では、聴講者の方々からの質問も多数あり、ウェブ講演会でしたが活発な議論がなされたものと感じております。これは塗料・塗装技術に関わる皆様の「持続可能な開発目標:SDGs」に対する関心の高さを表しているものであり、聴講者の方々にもご満足をいただけた内容になったものと確信しております。日本塗装技術協会は、これからも委員一同、日々の皆さまの技術活動に少しでも貢献できるような話題を提供していきたいと考えております。

次回の講演会は、2022年度 アンコール講演会「進歩し続ける塗装技術(V)」 〜塗装エンジニアリングと環境対応の進化〜 を、2022年9月2日(金)にオンライン開催致します。是非参加を検討いただけますと幸いです。
塗装技術協会セミナー委員会一同、皆様の参加をお待ちしております。

2022年度 第1回講演会
実行委員長 山下 秀樹(BASFジャパン梶j

主催一般社団法人日本塗装技術協会  
協賛日本化学会色材協会日本塗料工業会
日本塗装機械工業会高分子学会日本工業塗装協同組合連合会
日本自動車車体工業会日本防錆技術協会材料技術研究協会
日本レオロジー学会日本印刷学会日本建築仕上学会
日本塗料検査協会日本油化学会腐食防食学会
自動車技術会静電気学会日本粉体工業技術協会
国際工業塗装高度化推進会議エポキシ樹脂技術協会 

 
期日2022年 6月 17日(金) 09:50〜16:15
会場オンライン開催

参加費日本塗装技術協会及び協賛学協会会員16,500円
非会員22,000円
学生参加者3,300円

プログラム

09:50 開会の挨拶とガイダンス  日本塗装技術協会 第1回講演会実行委員長
10:00〜11:00
(Q&A含む)
「塗装前処理におけるCO2削減、節水技術の最新動向」
No.1 日本パーカライジング株式会社 市場統括事業部 自動車統括グループ
マネージャー 兒玉 貴裕
概要:
近年は地球環境保全が重要課題として定められるようになり、環境を考慮した化成処理が望まれている。りん酸亜鉛に替わり環境負荷を大幅に低減したジルコニウム化成処理の特徴の解説に加え、常温で使用可能な脱脂剤、常温且つ節水効果の高い塗装下地薬剤等の環境対応型薬剤について最新動向を紹介する。

休憩(5分)
11:05〜12:05
(Q&A含む) 
「鋼構造物塗装における環境対応の動向と当社の取り組み」
No.2 大日本塗料株式会社 構造物塗料事業部 テクニカルサポートグループ
グループ長 山内 健一郎
概要:
鋼構造物塗装における環境への取り組みとしては、主にVOC排出量の削減である。塗料中のVOC量を大幅に低減した水性塗料の適用や、高耐久材料を適用して塗替周期を延長しVOCの排出機会を減らす方法等がある。
本講演では、これらの材料に関する業界の技術・基準動向とともに、当社の特徴材料を紹介する。

昼食休憩(55分間)
13:00〜14:00
(Q&A含む)
「環境に貢献するEB照射技術」
No.3 株式会社NHVコーポレーション EB加工部 京都EBセンター 主任 岡崎 泰三
概要:
EB(電子線)照射は1960年代より行われてきた技術である。EBのエネルギーが原子の核外電子に直接作用する事から、フィルムの加熱架橋工程や、塗装硬化等加熱工程のエネルギー削減や代替工程として、省エネルギーでSDGsへの貢献に期待がさらに高まってきている。本講演ではEB照射技術の原理、特徴とその実用例を紹介する。

休憩(5分)
14:05〜15:05
(Q&A含む)
「プラスチック加飾技術の概要と今後の展開」
No.4 MTO技術研究所 所長 桝井 捷平
概要:
最初に、フィルム加飾、NSDなどの主要加飾技術の概要を説明し、続いて、SDGs、自動車におけるCASEなど国際的な目標に対応した今後の加飾について、「機能付加加飾」、「塗装代替(塗装レス)加飾」、「植物由来材料使用の加飾」、「軽量化と加飾」、「バイオミティクスを応用した加飾」などを解説する。

休憩(5分)
15:10〜16:10
(Q&A含む)
「持続可能な社会の実現へ/フィルム加飾技術からのアプローチ」
No.5 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 理事 フィルム事業部 事業部長 小林和人
概要:
100年に1度の変革期と言われる自動車産業において、加飾の在り方にも変化が求められている。 環境負荷の低減、CASEに伴う機能付与、そして意匠性などだ。これらを満たす技術の一つにフィルム加飾技術があり、本報告ではフィルム加飾工法の概要説明、並びにそれから得られる機能や意匠性、加えて、LCA含めた環境へのアプローチについてもご紹介させて頂く。

16:10〜16:15 閉会の挨拶と今後のご連絡


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