プログラムへ

 平成22年度第2回講演会を終えて 

 平成22年10月8日に日本ペイント株式会社東京事業所センタービルAホールにて平成22年度第2回講演会『どうする?2012年〜環境問題と最新の塗料・塗装環境対応技術〜』が開催されました。
 各方面から56名のご参加をいただき、おかげさまをもちまして盛況のうちに終えることができました。ご聴講いただきました皆様には改めて御礼申し上げます。例年第2回目の講演会は秋口に開催されますので、
 
今回もご参加された聴講者の方々はすがすがしい気候の下、大いに環境改善意欲がわいたことと思います。一方、ご講演いただきました各講師の方々には、あの暑い夏の間に予稿集やプレゼン資料をご準備いただき、また当日はすばらしいご講演を頂戴いたしましたこと、深く感謝申し上げます。
 さて、本公演は環境問題を切り口に、工業塗装が直面する課題と、それに対応する為の最新の塗料・塗装技術について6テーマを厳選し講演いただきました。

 第1講演『前処理技術からみた環境負荷低減の取り組み/日本シー・ビーケミカル株式会社 古川様』と第2講演『脱VOC塗料の開発と今後の展開/関西ペイント株式会社 和田様』では、塗装工程における基本ソフトともいえる前処理剤と塗料が抱える課題と新たな展開について、第3講演『今求められる塗装とは:原価低減と環境改善の両立/旭サナック株式会社 戸田様』より塗装工程のハード的側面から経済性と環境対応の両立について解説いただきました。さらに第4講演『有機溶媒フリー・二酸化炭素塗装技術の開発動向/独立行政法人 産業技術総合研究所 小野様』と第5講演『プラスチック素材へのフィルム加飾技術動向/日本ビー・ケミカル株式会社 長谷様』 では塗装の近未来像を予感させる最新塗装技術の実態を詳しく報告していただきました。最後の第6講演『マイクロ波による先導的環境保全技術−光触媒・エネルギー輸送を例に/東京理科大学 堀越様』では環境保全に関する最新の研究成果を分かりやすくご説明いただきました。
 いずれの講演とも、各企業、大学・研究所の最新の研究成果や情報を惜しげもなくご紹介いただきました。『明日の塗装』についてのヒントがふんだんに盛り込まれていたと思います。このヒントがご聴講された皆様方の業務に少しでもお役に立てますことを、私ども日本塗装技術協会セミナー委員会一同、祈念申し上げます。

第2回セミナー実行委員長 吉原 薫

主催日本塗装技術協会
協賛日本化学会色材協会日本塗装工業会
日本防錆技術協会表面技術協会日本自動車車体工業会
日本塗装機械工業会日本工業塗装協同組合連合会日本塗料工業会
日本塗料検査協会( 順不同 )

 
期日平成22年10月8日(金)
会場日本ペイント株式会社 東京事業所 センタービルAホール
東京都品川区南品川4−1−15

参加者 56名
参加費(消費税込)当協会会員・協賛学協会会員15,750円
学生3,150円
非会員21,000円

プログラム

9:50〜10:00 開会の挨拶とガイダンス    日本塗装技術協会 セミナー委員会
10:00〜10:50 前処理技術からみた環境負荷低減の取り組み
日本シー・ビーケミカル株式会社
技術開発部
課長 古川 淳司
アウトライン :
各産業界における弊社の環境対応型表面処理薬剤及びそのプロセスの開発に関する取り組み及びそれに伴う課題を含めて説明する。

10:50〜11:40 脱VOC塗料の開発と今後の展開
関西ペイント株式会社
CM研究所第2部
課長研究員 和田 誠司
アウトライン :
各塗装分野でのVOCの排出の現状と今後の削減に向けた取組み、その達成手法、VOC削減を実現し得る塗料開発状況について報告する。

昼食休憩(60分間)
12:40〜13:30  今求められる塗装とは:原価低減と環境改善の両立
旭サナック株式会社
顧問 戸田紀三夫
アウトライン :
今後もコツコツと愚直に原価低減と環境改善に取組まなければならない。一方で従来のやり方を継続するだけでは今後のグローバルな競争に対応できない。どうあるべきか、変わるべきかについて皆様と一緒に考えたい。

13:30〜14:20 有機溶媒フリー・二酸化炭素塗装技術の開発動向
独立行政法人 産業技術総合研究所
東北産学官連携センター
産学官連携コーディネータ 小野 實信
アウトライン :
VOC排出量削減対策として、スプレー塗装における希釈溶剤を二酸化炭素に置き替えることにより、塗装仕上げ品質を確保したまま、VOC発生を大幅に低減させる二酸化炭素塗装技術の開発を行った。その塗装技術の特徴と開発動向について報告する。

休憩(20分間)
14:40〜15:30 プラスチック素材へのフィルム加飾技術動向
日本ビー・ケミカル株式会社
技術ブロック 工業用技術開発グループ
グループマネージャー 長谷 高和
アウトライン :
水性化、ハイソリッド化、UV硬化系導入など塗装におけるVOC低減、CO2低減などの環境対応への取り組みが進められているが、一方ではフィルムによる加飾も。。。代表的なフィルム加飾技術および加飾転写塗装フィルムについて紹介し、環境負荷低減への貢献について考察する。

15:30〜16:20 マイクロ波による先導的環境保全技術
−光触媒・エネルギー輸送を例に−
東京理科大学 
総合研究機構 准教授 堀越 智
アウトライン :
環境立国を掲げる我が国において、環境保全やエネルギー問題に対する技術開発は優先課題である。電子レンジなどに利用されているマイクロ波を、これらの技術革新に適用する研究が世界中で行われている。本講演では研究例を用いてこれらの技術について紹介する。


Copyright(C); 2006, Japan Coating Technology Association. All Rights Reserved.