2019年(令和元年)度 第10回塗装入門講座を終えて
第10回の塗装入門講座は9月19、20日の二日間、昨年と同様、日本ペイントホールデイングス株式会社東京事業所センタービルAホールで開催され100名近い方が参加されました。今年も昨年に引き続き、皆様方からいただいたアンケートを参考にして講演内容を12講演に絞り込みました。特別講演は2件で昨年に引き続きトヨタ自動車株式会社MS成形塗装生技部の奥田琢也先生から“自動車塗装工程の概要と課題”というテーマで自動車ボデー塗装の詳細についてアニメーション動画を駆使してわかり易くご講演いただきました。また、2日目の特別講演は日立建機株式会社生産・調達本部の山口政雄先生に“建設機械の塗装について”というテーマで厳しい環境下にさらされる建設機械への重防食塗装仕様、さらに、美しく鮮映性の優れた耐候性塗膜への開発経過について苦労話を含め詳しくご講演いただきました。
今回も限られた2日間で素材、前処理、塗料(VOC対策に期待される水性・粉体塗料)、塗装(静電塗装・塗装の無人化)、塗膜特性、工業塗装市場の塗装仕様の現状と将来、環境安全、塗料・塗膜欠陥の原因と対策等を幅広く勉強していただき、昨年に引き続き講演終了後の講師との情報交換会は多くの皆様が参加され活発な情報交換の場になることが出来ました。
また、日本塗装技術協会の工藤一秋会長(東京大学生産技術研究所教授)から塗装入門講座に参加された皆様に塗料塗装技術に関する基本知識の重要性と世の中に役立つ幅広い技術開発を期待するとのご挨拶がありました。
塗装の目的はお客様が喜んでいただける塗膜を提供することですのでお客様、素材メーカー、塗料メーカー、塗装機器設備メーカー間の詳細な技術交流がさらに必要になってくると思います。
入門講座は今年、第10回を終了し、来年は東京オリンピック開催の年となりますので皆様から金メダルをいただけるような第11回塗装入門講座を開催したいと思います。
皆様から頂いた貴重なご意見、ご要望をもとに、さらに皆様に役立つ講演テーマを決めさせていただきますので、来年も多くの皆様が参加していただければ幸いです。
以上
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日本塗装技術協会 塗装入門講座委員会 委員長 旭サナック株式会社 伊藤春揮 |