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第11回塗装入門講座を終えて

 第11回塗装入門講座は新型コロナウィルス禍の中で2021年02月09日、10日の2日間(13時〜16時半)、オンライン講演方式で開催しました。
これほど大掛かりなオンライン講演は私達にとって初めての経験でしたので何度も練習を重ねた結果、本番では、大きなトラブルもなく無事に終了することが出来ました。講演時間は例年の対面方式に比べて約半分の時間に設定して講演件数も6件程度にする予定でしたが多くの講師の皆様から短い講演時間でも協力したいとのご意見をいただき、特別講演を含めて11講演で実施しました。
100名近い方々が参加され短時間でしたが活発な質疑応答(Q&A)の時間をとることが出来ました。私にとって初めてのオンライン講演でしたが日本塗装技術協会事務局、入門講座委員、そして会場(オンライン本部)を提供していただいた東京大学生産技術研究所工藤教授、研究室の学生の皆様にも応援をいただき、多くの課題を解決する事が出来ました。特別講演は一件でしたが、前回に引き続きトヨタ自動車株式会社塗装成形生技部の岡田雄介様から“自動車塗装工程の概要と課題”というテーマで自動車ボデー塗装の詳細についてアニメーション動画を駆使してわかり易くご講演いただきました。自動車ボデーは約100μmの塗膜厚で、クルマのデザインを引き立たせる色合い、艶、さらにお客様の感性に訴える意匠、防錆、耐候性の優れた塗膜への開発経過について苦労話を含め詳しくご講演いただきました。今回は限られた2日間で素材、前処理、塗料(VOC対策に期待される水性・粉体塗料)、塗装(静電塗装・塗装の無人化)、塗膜特性、工業塗装市場の塗装仕様の現状と将来、環境安全、塗料・塗膜欠陥の原因と対策等を幅広く勉強していただきましたが、講演時間が短く理解し難いこともあったかと思いますがお許し下さい。
塗装の目的はお客様が喜んでいただける塗膜を提供することです。お客様、素材メーカー、塗料メーカー、塗装機器設備メーカー等の皆様との積極的な異業種間交流、情報交換がさらに必要となって来ますので塗装入門講座をさらに充実した内容に変革して行きますのでご期待下さい。
次回の第12回入門講座は皆様から頂いた貴重なご意見、ご要望をもとにしてさらに喜んで頂ける講演テーマ、講演方法(対面方式、オンライン方式)も含めて、より多くの皆様に参加していただき、塗装をもっと身近な学問として共有できる環境づくりに挑戦して行きたいと思います。

以上
 
2021・02・19
日本塗装技術協会
塗装入門講座委員会 委員長
旭サナック株式会社 伊藤春揮

プログラム
2月9日(火)

13:00 開会挨拶  一般社団法人日本塗装技術協会 会長 工藤 一秋
13:10〜14:10 (1)地球環境と塗料塗装市場の現状(1)旭サナック(株) 伊藤春揮
(2)塗料、塗膜の性質と評価方法(2)元 職業能力開発総合大学校 武井 昇
(3)液体塗料の特徴(3)塗料塗装技術研究所 奴間 伸茂
休憩(10分)
14:20〜14:50 粉体塗料の特徴と適用法について関西ペイント(株)
工業塗料本部 津田 裕久
休憩(10分)
15:00〜15:30 水性塗料、電着塗料について日本ペイントホールディングス(株)
R&D本部 宿谷 利弥
休憩(10分)
15:40〜16:40 特別講演
自動車塗装工程の概要と課題
トヨタ自動車(株)
塗装成形生技部 岡田 雄介

プログラム
2月10日(水)
13:00〜13:30 塗装前処理の基礎
〜鉄材料への化成処理を中心として〜
日本パーカライジング(株)
製品事業本部 前田 一博
休憩(10分)
13:40〜14:10 塗装機器の基礎と今後の動向旭サナック(株)
塗装機械事業部 白松 憲一郎
休憩(10分)
14:20〜14:50 塗料・塗膜欠陥について関西ペイント(株)
生産本部 市川 昭人
休憩(10分)
15:00〜15:20 塗装と安全、衛生、規制BASFジャパン(株)
コーティングス事業部 新村 和彦
休憩(10分)
15:30〜16:00 一般工業製品の塗装仕様と
今後の塗料動向
(一社)日本塗料工業会 鈴木 譲
16:00〜16:10 閉会挨拶 入門講座委員会


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