要旨
第4回 プロフェッショナルセミナー “塗料開発におけるレオロジー解析の活用” 開催報告
◆2時間30分の講演と45分のQ&Aタイム
一昨年の11月6日の第1回、昨年7月13日の第2回、同12月2日の第3回につづき、本年8月5日に第4回プロフェッショナルセミナーがオンライン方式で開催されました。
講師は、日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社 R&D COEの井賀 充香氏、テーマは、「塗料開発におけるレオロジー解析の活用」。以下に示すように、基礎から塗料開発過程で直面する諸現象の解析事例まで、実に分かり易く講演してくださいました。
1.粘弾性の基礎
1-1.液体の静的測定(定常流測定)
1-2.液体の動的測定(動的粘弾性測定)
2.塗装工程で起こる現象の解析事例
2-1.ローラー塗装時の塗装感
2-2.ローラー塗装時の外観形成
2-3.ローラー塗装時の塗料飛散量低減
2-4.ロールコーター塗装工程における塗料物性制御と外観形成(ピックアップ量)
2-5.ロールコーター塗装工程における塗料物性制御と外観形成(カーテン安定性)
2-6.スプレー塗装工程における外観形成(たれ)
3.成膜工程で起こる現象の解析事例
4.仕上がり塗膜の解析事例
4-1.表面形状評価(外観)
4-2.密着性評価(塗膜の破壊)
正味2時間40分の講演でしたが、87名の聴衆は井賀講師の落ち着いた、説得力のあるお話しに集中されていました。
20代の若手技術者は、「塗装工程で起きる現象や成膜過程など普段直面している事象を粘弾性と結び付けて講演していただきました。大変面白く、理解を深めることができました。本講演で学んだことを業務に生かして取り組んでいきます。」と話してくれました。30代の中堅技術者は、「何か困ったときに自分ですぐ取り掛かれるようなガイド、教科書になっていて、非常に有用だと感じました。」と語り、50代のベテラン技術者は、「大変充実した内容でした。粘弾性の基礎についてはこれまでも何度か他の講習会で聴講してきましたが、今回のセミナーで塗料の開発段階でレオロジーがどのように活かされるべきか、という点についてヒントをいただきました。早速今後の業務に生かしていきたい。」と話してくださいました。
他にも、今後の業務に生かしていくヒントが得られたという声が多数寄せられました。これは理論的な話を分かり易く解説してくださった上に、具体的な測定機器・観察手段や、測定データを丁寧に示してくださったことによるものであろうと考えています。
45分間の質疑応答について、「講演時間だけでなく、質疑応答についてしっかりと時間をとっていただけたことで、活発な議論が行われ、とても有意義なものでした。」との声をいただきましたが、実際に45分でも足りないくらい盛り上がりました。
◆プロフェッショナルセミナーの意義
このセミナーは、一つのテーマについて講師にたっぷり時間を掛けて話していただき、聴いてくださる方々と心行くまで議論することで日頃抱えている疑問を解決し、さらに新たな発見・気付き・進歩につなげることを目的としてスタートしました。
今回、「一般的(?)なセミナーでは聞くことの出来ない、マニアックな塗料メーカー目線の講義を拝聴でき大変参考になりました。このような機会を設けて頂き感謝しております。」、「講演、質疑応答についてしっかりと時間をとっていただけたことで、活発な議論が行われ、とても有意義なものでありました。今回のような具体的なテーマについて、深堀して議論できる場は貴重であると思いましたので、今後ともぜひ続けてください。」というエールをいただき、プロフェッショナルセミナーを立ち上げて良かったとホッとしています。
また、運営に関しては、「タイムリーに案内、リマインドを配信いただき非常にありがたいと感じておりました。スムーズに運営いただき感謝しております。」、「ファシリテーターを設けられていたので進行がスムーズで、トラブルにも対処できていた点がよかったと思います。」、「長時間の運営お疲れ様でした。ファシリテーターの進め方も最適だったと思います。」などの励ましの言葉もいただきました。
次回、第5回プロフェッショナルセミナーは、12月2日(金曜日)に開催する予定です。詳細は追って発表します。ますます皆様のご期待に沿えるよう工夫、奮闘する所存です。
皆様のご参加を心からお待ちしています。
主催 | 一般社団法人 日本塗装技術協会 | | |
協賛 | 日本化学会 | 色材協会 | 日本塗料工業会 |
| 日本塗装工業会 | 表面技術協会 | 日本塗装機械工業会 |
| 高分子学会 | 日本工業塗装協同組合連合会 | 日本自動車車体工業会 |
| 日本防錆技術協会 | 材料技術研究協会 | 日本レオロジー学会 |
| 日本印刷学会 | 日本建築仕上学会 | 日本塗料検査協会 |
| 日本油化学会 | 腐食防食学会 | 自動車技術会 |
| 静電気学会 | 粉体工学会 | 日本粉体工業技術協会 |
| 国際工業塗装高度化推進会議 | エポキシ樹脂技術協会 | (順不同) |
期日 | 2022年 8月 5日(金) 午後1時〜午後4時45分 |
会場 | オンライン開催 |
テーマ | 塗料開発におけるレオロジー解析の活用 |
講師 | 井賀 充香 氏 日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社 R&D COE |
参加資格・参加費 | 日本塗装技術協会会員 | 15,000円 (正会員複数人申込特典 @12,000円) |
| 非会員 | 20,000円 (非会員複数人申込特典 @16,000円) |
要旨 |
塗料が塗膜として美観や保護、機能を発揮し、同時に適切な塗装作業性を確保するために、塗料に関わる技術者は日々改良を行っています。
当社では、塗装作業性の様々な課題に対して塗装プロセス全体を俯瞰して解析し、塗料開発を進めることで効率化を図っています。なぜならば、対象とした現象について開発目標と現状の差を認識して課題を明確にすること、そしてその課題解決のための仮説を多方面から立案することができるからです。
今回は、レオロジーを中心とした物性解析の基本と塗装作業性改良、塗膜性能評価についての解析事例を紹介します。そして皆様との議論を通じてこれからの課題に対する解決の糸口について考える場となれば幸いです。
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内 容
1. 粘弾性の基礎
1−1.液体の静的測定(定常流測定)
1−2.液体の動的測定(動的粘弾性測定)
2. 塗装 工程で起こる現象
2−1.ローラー塗装時の塗装感
2−2.ローラー塗装時の外観形成
2−3.ローラー塗装時の塗料飛散量低減
2−4.ロールコーター塗装工程における塗料物性制御と外観形成 (ピックアップ量)
2−5.ロールコーター塗装工程における塗料物性制御と外観形成(カーテン安定性)
2−6.スプレー塗装工程における外観形成(たれ)
3.成膜工程で起こる現象と粘弾性の関係(事例紹介)
乾燥工程の解析例
4.仕上がり 塗膜の解析事例
4−1.表面形状評価(外観)
4−2.塗膜表面物性評価(傷つき性)
4−3.密着性評価
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