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 第31回塗料・塗装研究発表会レポート

講演風景

 第31回塗料・塗装研究発表会が、平成28年3月3日に東京大学生産技術研究所コンベンションホールにて開催されました。今回は例年を上回る120名以上の方々にご参加をいただき、熱のこもった発表と質疑応答が行われました。
 日本塗装技術協会 工藤会長の開会挨拶に続き、午前の部6件、午後の部8件の計14件の研究発表が行われました。午前の部の前半3件は、塗料・塗装に関する測定や解析についての研究、後半3件は、塗装の方法や塗装の条件に関する研究、午後の部は、最初の3件は、塗装機、塗装ブースなどの機器に関する研究、続く3件は、防錆、防食に関する研究、最後の2件は、塗装シミュレーションと薄膜の形成方法に関する研究の発表であり、塗料・塗装に関連する多岐にわたる分野の最新の研究成果についての発表会となりました。また、参加者から、高度で専門的な質問や意見が出され、活発で内容の濃い質疑応答となりました。
 今年は、特別講演として、「流れを操るプラズマアクチュエーター 流体機器・輸送機器の革新を目指して」 という演題で、東京理科大学工学部経営工学科教授、JAXA宇宙科学研究所客員教授藤井 孝藏先生にご講演を行っていただきました。藤井先生は、航空宇宙工学、特に高速流体力学および数値シミュレーションをご専門とされていますが、今回の特別講演では、プラズマアクチュエーターの原理や空気の流れの制御、スーパーコンピューターを用いた数値シミュレーションの成果などについて、動画を交えたわかりやすい資料をご準備いただき、非常にわかりやすくかつ興味深いお説明をしていただきました。この場をお借りして、改めて藤井先生に御礼申し上げます。参加者へのアンケートでも、「難しい内容を大変わかりやすくお話しいただいた。他分野の話だが非常に興味深かった。今後の研究の励みになる。久しぶりにワクワクした」といった声をいただきました。
 研究発表終了後、審査が行われ、予稿集の内容と当日の発表内容を総合的に評価した結果、「塗装ブース”新集塵方式の開発”」を発表されたトヨタ自動車株式会社、飯田達也様に研究発表優秀賞を送ることが決定されました。
 次いで、場所を発表会場横のホワイエに移し交流会が行われました。交流会の初めに、研究発表優秀賞の表彰が行われ、その後、皆様にご歓談いただきました。今回の交流会には特別講師の藤井先生や発表者も含め多数のご参加をいただき、発表会にも増して活発な質疑応答や意見交換、情報交換が行われたことを、主催者一同大変喜ばしく思っております。
 今回も盛会のうちに終えることができましたことを、ご関係の皆様に心より御礼申し上げます。次回もまた、塗料・塗装の多岐にわたる最新の成果に関する多くの研究発表が寄せられ、多数の参加者の皆様と活発な討議が行われることを期待しております。

研究発表委員会委員長:本田康史

主催日本塗装技術協会
協賛日本化学会色材協会日本塗料工業会
日本塗装工業会表面技術協会日本塗装機械工業会
日本工業塗装協同組合連合会日本防錆技術協会日本自動車車体工業会
高分子学会日本建築学会日本油化学会
日本鉄鋼協会腐食防食協会自動車技術会
日本金属学会応用物理学会材料技術研究協会
日本レオロジー学会日本印刷学会粉体工学会
静電気学会日本粉体工業技術協会日本塗料検査協会
日本建築仕上学会(順不同)

期日平成28年 3月 3日(木)
会場東京大学 生産技術研究所 (駒場リサーチキャンパス)
コンベンションホール (An棟2階)
〒153-8505 東京都目黒区駒場4−6−1

発表申込締切平成27年10月16日(金)一般発表14件
 参加者125名
参加登録費当協会会員・協賛学協会会員8,640円
同35歳以下6,480円
学生会員・研究室学生会員1,080円
非会員10,800円

プログラムの演題をクリックすると発表概要をご覧いただけます。

プログラム

[開会挨拶]
09:30-09:40
日本塗装技術協会 会長  東京大学 生産技術研究所 教授 工藤 一秋 

[一般講演]  (○印:講演者)
09:40-10:40
座長  檜原篤尚(関西ペイント)
1)
非接触型表面抵抗率測定法を用いた塗装膜厚推定の検討  
 (山形大学)○木村 剛久、杉本 俊之、(春日電機)野村 信雄
2)
機能性光断層画像法による塗膜内部・多層膜の乾燥過程解析  
 (東洋精機製作所)○ 深井俊宏、(埼玉大学)門野博史、佐藤真都香
3)
Spring 8放射光を用いたX線イメージングによるメタリック塗膜形成過程観察方法  
 (ダイハツ工業)○中山 泰、谷口昌司、田中裕久、神澤啓彰、大森 宏、野村公佑
 上田雅也、阪本雅宣、畑中隆文
10:40〜10:50
休 憩 
10:50〜11:50
座長  古川博康(新日鐵住金)
4)
プレコートアルミニウム材の摺動性に及ぼす塗装条件の影響  
 (UACJ)○小澤武廣
5)
微粒化・塗着工程が平滑性に与える影響 
 (日本ペイント・オートモーティブコーティングス)○松嶋美佳、千田晃子、石原清隆
6)
ローラー厚膜塗装の検討 
 (日本ペイントホールディングス)〇江端公章、川本 環、奥田知哉
11:50〜12:50
休 憩 
12:50〜13:50
座長  安達陽一(日本ペイントホールディングス)
7)
塗装ブース “新集塵方式の開発” 
 (トヨタ自動車)○飯田達也
8)
エレクトロスプレー法を用いた塗装方法  
 (アネスト岩田)佐藤和昭、〇柿崎翔志
9)
デュアル電界方式による粉体ハンドガンの塗着効率向上と軽量化 
 (旭サナック)〇鈴木善貴、蜩c健三、櫻井宣文
13:50〜14:00
休 憩 
14:00〜15:00
座長  正道博士(日産自動車)
10)
新規防錆顔料系クロメートフリー塗装鋼板の屋外曝露試験結果(2)
 (BASFジャパン)〇高野穣、辻田隆広、西田信博、竹内義智、大澤勝彦
11)
鋼構造物用1液水性上塗り塗料の開発 
 (関西ペイント) 〇三谷誠、大森勝弘、松田英樹
12)
塗装鋼板の初期端面耐食性 
 (新日鐵住金)  〇河村保明、古川博康、松本雅充、植田浩平
15:00〜15:10
休 憩 
15:10〜15:50
座長  畠 隆行(アネスト岩田)
13)
電着塗装シミュレーションにおける濁りの電気抵抗を考慮した塗膜析出モデル 
 (東京工業大学)○志村彩夏、大西有希、天谷賢治
14)
静電気力を用いた塗装膜厚制御による3Dフィルム生成法の検討 
 (山形大学)〇梅津陽太、杉本俊之
15:50〜16:00
休 憩 
注)一般講演の氏名○印は発表者とします

[特別講演]
16:00〜17:00
座長  本田康史(BASFジャパン)
 
演題
「流れを操るプラズマアクチュエータ −流体機器・輸送技術の革新を目指して−」
 東京理科大学工学部経営工学科 教授、JAXA宇宙科学研究所 客員教授
 藤井 孝藏 先生


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