プログラムへ      

 第36回塗料・塗装研究発表会レポート

 第36回塗料・塗装研究発表会が、2021年3月5日にオンラインで開催されました。昨年3月17日に開催を予定していた第35回の研究発表会が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったのをうけて、昨年春からオンラインでの開催を前提として準備してまいりましたが、無事に研究発表会が開催できましたことについて関係者の皆様のご尽力に深く感謝いたします。また発表者の皆様には、なれないオンラインでの発表にもかかわらず、分かりやすい発表を行っていただきありがとうございました。参加人数は70名程度とこれまでより若干少なくなってしまいましたが、オンライン開催ということで、首都圏だけではなく、東日本、西日本の広い範囲からのご参加をいただくことができました。一部で音声の途切れといった小さな不具合があったようですが、心配された回線のトラブルもなく、従来の会場での発表会に劣らない盛り上がった発表会になったと思います。
 当日は、日本塗装技術協会 工藤会長の開会挨拶に続き、午前の部4件、午後の部4件の計8件の一般講演が行われました。今回は、意匠に関する発表が多く寄せられ、ローラー塗装でメタリック塗膜を得る工法の開発、サーモクロミック機能を有する塗膜の開発、農業機械向けのプレミアムカラーの開発の発表が行われました。塗装工法に関して、ローラー塗装における飛散抑制の研究、高塗着効率を得るためのエアレス塗装に関する研究の発表が行われ、塗膜の評価に関して、塗膜密着性の定量化の研究、塗装機に関して、カラーセンサーによる色替えの自動化に関する発表が行われました。また複合材に関して、プラスチックと鋼板の接合性向上に関する発表が行われました。今回も塗料・塗装に関連する非常に広範囲の分野について、基礎的な研究から実用性の高い塗料や塗装機器についてのさまざまな研究成果が紹介され、塗料・塗装の研究、技術の領域の広さと深さを実感できる研究発表会となりました。また、質疑応答の時間では、ウェビナーのQ&Aへの文書での記入という手間のかかる方法にもかかわらず、多数の参加者の皆様から各々の研究発表に対して多くの質問が寄せられ、発表者との間で内容の濃い質疑応答が行われました。
 今年は、特別講演として、宇宙航空研究開発機構の木本雄吾先生に、「 宇宙開発と塗装技術に関わる動向について 」 のご講演を行っていただきました。宇宙機の塗装、塗料に関する最先端の情報を国際規格の制定に関する動向も含めてわかりやすく説明していただき、参加者からも、「 地球上とは異なる宇宙環境において、どのような機能が求められているのか知ることができて良かった 」、「 宇宙開発に塗装技術が貢献していることを、業界に従事している者として誇らしく思いました 」、「 規格や国際的な動きについての説明が興味深かった 」 などといった感想が寄せられ、大変ご好評をいただきました。
 研究発表終了後、研究発表委員による審査が行われ、予稿集の内容と当日の発表内容を総合的に判断し、「 Double Cantilever Beam (DCB) 法による塗膜密着性の定量化検討 」 を発表された日産自動車 本橋侑子様の研究発表に研究発表優秀賞を送ることが決定されました。
 今回も盛会のうちに終えることができましたことを、発表者の皆様、共同研究者の皆様、ご関係の皆様に心より御礼申し上げます。次回以降も数多くの塗料・塗装に関連する最新の成果についての研究発表が寄せられ、多数の参加者の皆様と活発な討議が行われることを期待しております。

研究発表委員会委員長 本田康史

主催一般社団法人日本塗装技術協会
協賛日本化学会色材協会日本塗料工業会
日本塗装工業会表面技術協会日本塗装機械工業会
日本工業塗装協同組合連合会日本防錆技術協会日本自動車車体工業会
高分子学会日本油化学会腐食防食協会
自動車技術会材料技術研究協会日本レオロジー学会
日本印刷学会粉体工学会静電気学会
日本粉体工業技術協会日本塗料検査協会日本建築仕上学会
国際工業塗装高度化推進会議  

期日2021年 3月 5日(金)
会場オンライン開催

発表申込締切2020年11月12日(木)一般発表8件
参加登録費当協会会員・協賛学協会会員8,800円
同35歳以下6,600円
学生会員・研究室学生会員1,100円
非会員11,00円

プログラム

[開会挨拶]
10:00〜10:10
一般社団法人日本塗装技術協会 会長 東京大学 生産技術研究所 教授 工藤 一秋

[一般講演]  (○印: 講演者)
10:10-10:55
座長 武井 昇(元職業能力開発総合大学校)、畠 隆行(アネスト岩田)
1)
ローラー塗装可能な建築用メタリック塗装工法
 (関西ペイント)〇岡本 将、雑賀 忠信
2)
内装用水性塗料の飛散メカニズムの解明および飛散抑制塗料の開発
 (日本ペイントホールディングス)○石田 聡,川上 晋也、 久保 聡宏
10:55〜11:05
休 憩 
11:05〜11:50
座長 小野 崇光(日産自動車)、佐藤 世一(日本パーカライジング)
3)
サーモクロミック機能を有するプレコート鋼板の開発
 (日本製鉄)○柴尾 史生
4)
次世代農業機械向け意匠と塗装
 (関西ペイント)〇田中 宏明、湯澤 幸代
11:50〜13:05
昼 休 憩 
13:05〜13:50
座長 鎌谷 和行(日本ペイントホールディングス)、長野 千尋(関西ペイント)
5)
Double cantilever beam (DCB)法による塗膜密着性の定量化検討
 (日産自動車)○本橋 侑子、鈴木 達也、筒井 宏典、 清水 悟史、千葉 直道
6)
熱可塑性プラスチックとの接合性に優れた特殊表面処理鋼板
 (日本製鉄)〇上田 大地
13:50〜14:00
休 憩 
14:00〜14:45
座長 東新 邦彦(日本製鉄)、長野 千尋(関西ペイント)
7)
カラーセンサーによる塗色の自動計測と混合評価への応用について
 (旭サナック)〇加藤 啓太、加藤 雅宏
8)
超高塗着エアレス塗装の適用拡大
 (トヨタ自動車) ○村井 裕樹、大竹 伸弥、谷 真二
14:45〜14:55
休 憩 

[特別講演]
14:55〜15:55
座長 本田 康史(BASFジャパン)
 
演題
「宇宙開発と塗装技術に関わる動向について」
 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 木本 雄吾 氏


Copyright(C); 2006, Japan Coating Technology Association. All Rights Reserved.