プログラムへ
第37回塗料・塗装研究発表会レポート
第37回塗料・塗装研究発表会が 2022年3月4日に開催されました。昨年の第36回に続き ZOOMを使用したオンラインでの開催となりましたが、130名を超す方々にご参加いただき盛会となりました。
当日は、日本塗装技術協会 工藤会長の開会挨拶に続き、午前の部4件、午後の部6件の計10件の一般講演が行われました。新規な塗料開発に関する、「自動車用高耐久クリアの開発」、「水性3Wet用空調緩和中塗りの開発」、新しい塗装方法に関する、「親水性フィルムの強力超音波振動を用いた誘導帯電式静電塗装法」、耐食性に関する、「塗装アルミ板の耐食性とZr化成皮膜重量の関係」、分析に関する、「新車OEM 3wet塗装工程による複層塗膜系におけるポリイソシアネート染み込み定量化」、自動車補修用塗料の調色作業に関する、「自補修水性塗装システムに適した新コンピュータ調色技術の開発」、に続いて「シルバーメタリックの自動車修理調色における熟練技術者の作業工程」の発表が行われ、その異なったアプローチの対比が非常に興味深いものでした。
今回は、新しい分野として、自動車塗装ラインでの塗装欠陥の検査に関して、「トンネル型 自動車塗装欠陥の検査装置の開発」と「塗装欠陥検査の 「ものさし」 と 「欠陥見本」 の検討」の2件の発表が行われました。また、塗料関連技術の塗料以外の新規分野への応用として、「リチウムイオン電池用導電助剤ペーストへの分散技術の応用」の発表が行われました。
今回も塗料・塗装に関連する非常に広範囲の分野について、革新的な研究から実用性の高い技術について、さまざまな研究成果が紹介され、塗料・塗装の研究、技術の領域の広さとさらなる応用への可能性を感じることができる研究発表会となりました。
今回の研究発表会では、前回第36回で用いた文書による質問に代えて、音声での対話形式にて質疑応答を行いましたが、参加者から活発な質問が寄せられ、発表者とのやり取りの中で、より中身の濃い質疑応答を行うことができたと思います。
今年は、特別講演として、東京大学名誉教授小宮山眞先生に、「化学の目で見た COVID-19 ― 未曾有のパンデミックの克服に向けて ―」 のご講演を行っていただきました。参加者からは、「 ここ数年問題となっているコロナウイルスを題材として取り上げていただき、大変興味深かったです 」、「 COVID-19 について、化学的に分かりやすく解説していただき、これまでの流行やウイルスの変異、ワクチンのメカニズムなどを知ることができて有意義でした 」 などといった感想が寄せられ、大変ご好評をいただきました。
研究発表終了後、研究発表委員による審査が行われ、予稿集の内容と当日の発表内容を総合的に判断し、「 リチウムイオン電池用導電助剤ペーストへの分散技術の応用 」 を発表された関西ペイント 塚本敦史様の研究発表に研究発表優秀賞を送ることが決定されました。
今回も盛会のうちに終えることができましたことを、発表者および共同研究者の皆様、参加者の皆様に心より御礼申し上げます。次回以降も数多くの塗料・塗装に関連する最新の成果についての研究発表が寄せられ、さらに多くの参加者の皆様と活発な討議が行われることを期待しております。
研究発表委員会委員長 本田康史
主催 | 一般社団法人日本塗装技術協会 | | |
協賛 | 日本化学会 | 色材協会 | 日本塗料工業会 |
| 日本塗装工業会 | 表面技術協会 | 日本塗装機械工業会 |
| 日本工業塗装協同組合連合会 | 高分子学会 | 日本自動車車体工業会 |
| 日本防錆技術協会 | 日本油化学会 | 腐食防食協会 |
| 自動車技術会 | 材料技術研究協会 | 日本レオロジー学会 |
| 日本印刷学会 | 日本建築仕上学会 | 日本塗料検査協会 |
| 日本油化学会 | 腐食防食協会 | 自動車技術会 |
| 静電気学会 | 粉体工学会 | 日本粉体工業技術協会 |
| 国際工業塗装高度化推進会議 | エポキシ樹脂技術協会 | |
期日 | 2022年 3月 4日(金) |
会場 | オンライン開催
|
| | 一般発表10件
| 参加登録費 | 当協会会員・協賛学協会会員 | 8,800円
| 同35歳以下 | 6,600円
| 学生会員・研究室学生会員 | 1,100円
| 非会員 | 11,00円
|
[開会挨拶]
10:00〜10:10 | 一般社団法人日本塗装技術協会 会長 東京大学 生産技術研究所 教授 工藤 一秋 |
|