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第38回塗料・塗装研究発表会レポート
第38回塗料・塗装研究発表会レポート
第38回塗料・塗装研究発表会が2023年3月3日に開催されました。前々回、前回に続きZOOMを使用したオンラインでの開催となりましたが、70名を超える方々にご参加いただき盛会となりました。
当日は、日本塗装技術協会 工藤会長の開会挨拶に続き、6件の一般講演が行われました。SDGs 関連の VOC 削減、CO2 削減といった現在注目を集めている分野の研究として、「自動車補修用オール水性有機則フリーシステムの機能向上」、「熱硬化型シラン系ネットワークポリマーによる硬化物性とCO2削減への貢献」、「環境負荷低減に向けた高塗着効率と塗装仕上がりを両立する粉体塗装機について」の発表が行われました。AI、機械学習といった最先端の技術に関する研究として、「塗装欠陥検出におけるAIと光学シミュレーションの活用」、「機械学習を用いた塗装品質シミュレーションの構築」の発表が行われました。発表の中で、機械学習に熟練の技術者の知識・知恵を生かすことが重要という非常に興味深いご指摘がありました。また、塗装業界の長年の課題である、熟練の技能者の技術の伝承のための作業解析の研究として、「調色工程の比色作業における視線解析」の発表が行われました。
今回も塗料・塗装に関連する非常に広範囲の分野について、先進的な研究から実用性の高い技術まで、さまざまな切り口の研究成果が紹介され、塗料・塗装の研究・技術の領域の広さと、さらなる発展の可能性を感じることができる研究発表会となりました。また、今回の研究発表会では、前回に続き、音声での対話形式で質疑応答を行いました。参加者の皆様から発表者に声で直接質問が寄せられ、発表者とのやり取りの中で、限られた時間にも関わらず活発でより中身の濃い質疑応答を行うことができたと思います。
今年は、特別講演として、情報通信研究機構 電磁波研究所 電磁波伝搬研究センター 宇宙環境研究室の大辻賢一様に、「太陽がもたらす恵みと災い ― 宇宙天気予報の現場から ― 」 のご講演を行っていただきました。
参加者からは、「こんなにも宇宙天気が地球に影響しているものだと知らなかったので勉強になりました」、「太陽フレアによる通信障害が起こっていることについて今回具体的な内容を理解できてよかった」、「知らない分野であったが、講師の方の説明がわかりやすく大変面白く聞かせていただきました」などといった感想が寄せられ、大変ご好評をいただきました。
研究発表終了後、研究発表委員による審査が行われ、予稿集の内容と当日の発表内容を総合的に判断し、「熱硬化型シラン系ネットワークポリマーによる硬化物性と CO2 削減への貢献」を発表されたカネカ 深海洋樹様、松尾陽一様の研究発表に研究発表優秀賞を贈ることが決定されました。
第38回の研究発表会が盛会のうちに終えることができましたことを、発表者および共同研究者の皆様、参加者の皆様に心より御礼申し上げます。今回は、残念ながら一般講演が6件と申し込みが少なく午後からの半日開催となってしまいました。2024年3月に開催予定の次回第39回の研究発表会では、ぜひとも数多くの一般講演の申し込みをいただいて、さらに活気のある研究発表会として発展させていきたいと思いますので、皆様の積極的なご参加をお願いいたします。
研究発表委員会委員長 本田康史
主催 | 一般社団法人日本塗装技術協会 | | |
協賛 | 日本化学会 | 色材協会 | 日本塗料工業会 |
| 日本塗装工業会 | 表面技術協会 | 日本塗装機械工業会 |
| 日本工業塗装協同組合連合会 | 高分子学会 | 日本自動車車体工業会 |
| 日本防錆技術協会 | 材料技術研究協会 | 日本レオロジー学会 |
| 日本印刷学会 | 日本建築仕上学会 | 日本塗料検査協会 |
| 日本油化学会 | 腐食防食協会 | 自動車技術会 |
| 静電気学会 | 粉体工学会 | 日本粉体工業技術協会 |
| 国際工業塗装高度化推進会議 | エポキシ樹脂技術協会 | (順不同) |
期日 | 2023年 3月 3日(金) |
会場 | オンライン開催(「Zoomビデオウェビナー」)
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| | 一般発表6件
| 参加登録費 | 当協会会員・協賛学協会会員 | 8,800円
| 同35歳以下 | 6,600円
| 学生会員・研究室学生会員 | 1,100円
| 非会員 | 11,00円
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[開会挨拶]
13:00〜13:10 | 一般社団法人日本塗装技術協会 会長 東京大学 生産技術研究所 教授 工藤 一秋 |
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